2013年11月9日土曜日

敦賀原発2号機:規制委検討会、活断層の判断持ち越し(毎日新聞 2013年08月30日)


敦賀原発2号機:規制委検討会、活断層の判断持ち越し
毎日新聞 2013年08月30日 22時02分
http://mainichi.jp/select/news/20130831k0000m040068000c.html
http://d.hatena.ne.jp/jut8756ashue983burihho4b9/20130930/1380551037

2013年11月1日金曜日

週刊朝日でしかわからないフクシマの現実(2011/9/20)dot.

dot.
トップ>http://dot.asahi.com/
週刊朝日でしかわからないフクシマの現実
(更新 2011/9/20 18:14)
http://dot.asahi.com/news/domestic/2012092600572.html
※全文引用


◆回収しきれない放射性物質、いかにこれに対応すべきか◆
(元原子力安全委員会委員長代理・住田健二)

 1、2号機はこれまでの 報道で予知していたとおりだった。しかし3号機建屋の破損ぶりは無残としかいいようがない。水素爆発はチェルノブイリ原発の事故でも大破損の原因になって いたので心配され、知識としては知っていたつもりだったが、これだけ激しい爆発で建物がぶっ飛ぶような事態になるとは、お恥ずかしい話ながら、予想できな かった。

 運転休止中の4号機には、使用済み燃料プールに大量の燃料集合体が保管されていた。このプールで燃料集合体が再び核分裂を起こ し再臨界が起こったとの見方も出ていた。正確な中性子測定データが発表されていないので完全に否定はできないが、大丈夫だったようだ。しかし、今回初めて 眺め得た建物の裏側の崩壊からは、大きな余震に見舞われれば、プールの燃料集合体が大量に崩れ落ちてこないか心配になった。原子炉の炉心部のような厳しい 遮蔽(しゃへい)に囲まれていないので、炉心数個分の大量のウラン燃料が崩れ落ちると、たいへん厄介なことになる。何らかの建屋補修が急務だが、高い放射 線量の場所での作業は、容易ではないだろう。

 それと、東京電力は、4号機の破損について3号機から配管を通して水素が漏れて爆発したと説明しているが、これも金属の表面の組成変化を調べれば、水素爆発が原因かどうか、漏出経路も特定できるはず。爆破や材料工学の専門家にも意見を聴いて解明すべきだ。

  一般論になるが、これだけ大きな原発の事故は過去に例がない。放出された放射能はチェルノブイリ原発事故の10分の1と言われているが、1号機から4号機 の原発の中にはチェルノブイリの何倍もの放射性物質がまだ残されている。早急にこれらを封じ込めるだけでも大変な作業だが、この先数十年にわたり、これら をしっかりと封じ込め続けなければならない。

 その大問題にはほとんど前例がない。日本が自分たちで答えを出さなければいけない。その点 からも国が責任をもって後始末の方向を明示すべきで、事業者まかせにならぬようにしてほしい。それには、さまざまな立場の専門家が意見を出し合って、対策 をよく考える必要がある。現状はどうだろうか、手を抜かず正面から取り組め、と言っておきたい。それにつけても、もっと情報をオープンにすることが大切。 公開性、透明性はぜひとも必要。原子力三原則の「自主・民主・公開」の原点に立ち返るべき時点にきている。

 たとえば、東京電力は炉心の 核燃料を回収する計画を発表しているが、果たしてこの状態から溶けてぐちゃぐちゃになった燃料を完全に取り出せるのか。この動画では内部の状態がわからな いが、主要な構造や建造物の外観形状は無事だとしても、汚染された建物や機材までをとなると大変。原発全体を片づけるのには、膨大な費用がかかるだろう。 それと、同時に忘れてはならぬことは、全体としてものすごい被曝(ひばく)量が予想される作業になる。住民感情を考えると、完全に更地に復元することが望 ましいが、現実的な選択肢として、ここを回収しきれない放射性物質などの半永久的な貯蔵地として、使わせてもらうことをお願いしなければならないこともあ りうるのではないか。
     *
すみた・けんじ 1930年、大阪府生まれ。大阪大学名誉教授。原子力安全委員会委員、同委員長代理を歴任。日本原子力学会会長も務めた


◆地下に防壁を造らなければ、汚染はさらに拡散する◆
(京都大学原子炉実験所助教・小出裕章)

 福島第一原発事故の状況は公開された写真で理解していたつもりですが、敷地内で撮影された動画を見て、すさまじい破壊が起こったことがよくわかりました。

 原発事故の危険性を訴え続けてきましたが、私もどこか油断があったと思います。ましてや原子力を推進する人たちは、このような破壊が起こるとは想像もしていなかったでしょう。

  運転を止めていた4号機は下のほうまで壁が吹き飛んでいますね。私は当初、建屋内のプールに保管されていた使用済み核燃料から水素が発生して爆発が起こっ たと考えましたが、そうだとすると水素は軽いので建屋の上部が破壊されたはずです。東京電力の説明のように、3号機で発生した水素がダクトを通じて流れ込 んだのかもしれません。

 停止中の4号機には、建屋上部のプールに使用済み核燃料も含めて1535体もの燃料集合体が入っています。崩壊 を防ぐ補強工事がおこなわれたようですが、余震などで建物が崩れ落ちる危険性があります。そうなると強い放射能を出す使用済み核燃料がばらまかれて、だれ も近づけなくなってしまう。

 私は事故直後から、燃料棒が入っている炉心と使用済み核燃料のプールを、ひたすら冷やし続けなければいけないと言ってきました。半年たっても、それに変わりはありません。冷却に失敗すれば再び水蒸気爆発が起こることも考えられます。

  しかも、1号機から3号機の炉心の核燃料は溶融体となって、どこにあるかもわからない。1号機に関しては、溶融体が圧力容器の鋼鉄を溶かして、格納容器の 下部に落ちています。さらに格納容器を溶かして外に出ている可能性が高い。もし、コンクリートの土台や岩盤にめり込んでいれば、いくら水をかけても内部は 冷やせません。水を循環させる冷却システムもできているようですが、高濃度の放射能を含んだ冷却水をためるタンクを遮蔽するものがないのも気になります。

  核燃料の溶融体が地下水と接触すれば放射能汚染が拡大します。それを防ぐために地下に防壁を張り巡らせる必要があると訴えてきました。できるだけ早く造ら なければいけないのですが、敷地にがれきが散乱する中で、しかも10シーベルトなどという放射線が測定される現場で、地下にダムを造るような大がかりな工 事は非常に困難だと思います。それでも造らなければ、放射能汚染は地下から海に拡大していきます。

 2号機、3号機も内部の状況がわかっ てくれば、1号機と同様に核燃料の溶融体が格納容器の外に出ていることが明らかになるでしょう。大気中への放射能汚染も止まっていないので、壊れた建屋全 体を覆う工事も必要です。核燃料の崩壊熱は10年後も10分の1にしかなりません。熱の問題はつきまといますが、ある段階で覚悟を決めて工事を始めなけれ ばなりません。空調を付けて冷やしながらでもやるしかない。

 放射能汚染は非常に深刻です。国は被害を大きく見せないように避難区域を限 定していますが、放射線管理区域を定める日本の法律を厳密に適用するなら、福島県の東半分、宮城県、茨城県、栃木県の一部、さらには千葉や東京都のホット スポット地域を無人にしなければいけません。

 原発がいったん事故を起こせば、これだけ大きな取り返しのつかない被害が出るのです。国も電力会社も、ただちに全国の原発を止めるべきです。
     *
こいで・ひろあき 1949年、東京都生まれ。著書に『隠される原子力・核の真実 原子力の専門家が原発に反対するわけ』『原発のウソ』などがある


◆2号機の「きれいさ」が原発の耐震脆弱性を示した◆
(サイエンスライター・田中三彦)

 非常に重要な映像ですが、残念ながらこの外観映像だけでは、1~4号機に何が起きたか、政府や東京電力がこれまで言ってきたことは正しいのか、そういうことまでは判断できません。

 とはいえ、いくつか驚くべきこともあります。2号機の原子炉建屋がこれほど"きれい"だったとは。

 しかし、3月15日早朝、地下にあるドーナツ状の格納容器圧力抑制室付近で爆発が起き、圧力抑制室が大きく破損したという事実があります。地上の外観とは裏腹に、地下の部分は相当破損しているはずです。

 東電はいまだにその爆発原因について触れようとしませんが、おそらく地震で圧力抑制室本体の溶接部に亀裂が入り、そこから水素ガスが漏れ出して爆発したのだろうと思っています。

 しかし、もしそうだとすると、原発が、津波ではなく地震の揺れで重大な損傷を負ったという「耐震脆弱(ぜいじゃく)性」の問題が浮き彫りになるので、東電も保安院も、2号機の爆発については黙っているということだろうと思います。

 この映像を見てもう一つ興味深いのは、4号機の損傷状況が想像していた以上に無残であるということです。1、3号機の破壊が原子炉建屋上部に集中しているのに対して、4号機の破壊は、全体的です。外見的には1号機以上にひどい。

  ところが、4号機に何が起きたのかを、東電はこれまた詳しく説明していないし、何も断定していません。3号機と共用している排気筒を経由して水素や放射性 物質が4号機に流入し、水素爆発が起きたなどと大まかには説明していますが、流入だけで、あれほど無残なまでに破壊されるのかどうか、きわめて疑問です。

 さらに不可解なのは、4号機の水素爆発は、その映像を見た人が誰もいないこと。映像があるのに政府や東電がそれを隠しているのか、それとも本当に爆発映像が存在しないのか、とても気になります。もしかすると実は4号機も相当激しい水素爆発を起こしたのかもしれません。

  水素爆発の着火源も気になります。水素爆発が起きるには酸素だけでなく、着火源も必要です。一般によくある着火源は電気的スパークですが、全交流電源喪失 状態であったので、電気的スパークは起きようがありません。周辺環境の温度が600度にもなっていれば爆発するでしょうが、とくに4号機の原子炉建屋内が そういう温度になっていたとは考えにくい。

 3号機にいたっては水素爆発ではなく、使用済み核燃料プールで「核爆発」が起きたのではない か、という説もあります。確かに、爆発時にキノコ雲状の爆煙が上昇していくさまはそれをほのめかすのに十分であるようにも思えます。しかし、今回のスクー プ映像から、核爆発を証明することは難しいでしょう。

 と言っても、私が核爆発を否定しているわけではありません。真に重要なことを政府も東電もいっさい明らかにしていないからです。
     *
たなか・みつひこ 1943年、栃木県生まれ。68年に日立製作所の関連会社「バブコック日立」に入社、福島第一原発4号機の圧力容器などの設計に関わった


◆コンクリート壁がはがれ、塗料が焦げない理由◆
(北海道大学大学院教授・奈良林直)

 3号機の鉄骨は間もなく撤去されてしまうので、歴史に残る貴重な映像です。

  私は東芝のエンジニアとして研究所にいた2001年、静岡の浜岡原発1号機で起きた蒸気配管断裂事故の原因究明を担当しました。当初は、水が蒸気を凝縮し ながら管内を高速で移動し、衝撃波を生じさせる「ウオーターハンマー(水撃)現象」が疑われ、「老朽化プラントで配管破断」とマスコミに書き立てられまし たが、それでは厚さ1センチ超の炭素鋼の配管が花びらのように飛び散るほどの破壊力を説明できない。試行錯誤の結果、蒸気に混ざった微量の水素と酸素が管 内に少しずつ高濃度で蓄積し、これがあるきっかけで着火し、音速で燃焼が進み1平方センチあたり2トンもの強い衝撃がかかるデトネーション(爆轟)が起き ていたことが判明しました。この結果は、国際会議でも発表し、マスコミにも公表しました。このとき学んだのが真実を公表することの大切さです。原因が究明 されたので、非難は沈静化しました。

 3、4号機でも同様の事象が起きたのでしょう。

 耐震Aクラスの堅固な4号機のコ ンクリート壁が爆風を受けたようにはがれ落ちている一方で、オペレーションフロアに置いてあった格納容器のフタの黄色い塗料や燃料交換機の緑色の塗料が焦 げていません。爆轟現象は短時間に高速で薄い膜状の衝撃波が通過するため、塗料の焦げる時間がなかったのです。3号機でも爆発時の映像に、球状の衝撃波が 写っています。当時の映像では、衝撃波のあと黒い煙と赤い火炎が見えました。オペレーションフロアで爆発し、火災が発生したためと思います。

  4号機は当時、原子炉が定期点検で停止していたため、水素の発生源はオペレーションフロアにある使用済み燃料プールではないかとも言われていました。しか し、プールの水位は十分でした。最近では3号機と4号機をつなぐ配管のフィルターの3号機側が著しく放射線濃度が高かったことから、3号機から漏れた水素 が配管を通じて4号機の建屋に蓄積し、爆発を起こしたといわれています。

 では、なぜ同じ水素爆発を起こしたにもかかわらず、1号機の壁面は、鉄筋の骨組みがきれいに残っているのか。

 これは3、4号機の壁が50センチ以上の厚いコンクリートでできているためです。強固であればあるほど爆発時に壁が受ける圧力は大きくなる。福島第一原発で最も古い1号機の壁はコンクリートパネルを張り付けた強度の弱いものだったうえ、水素濃度も薄かったのです。

 事故発生から6カ月がたち、原発から放出される放射性物質の量は非常に少なくなりました。しかし、いまだに周辺の土地の汚染は放置され、住民は自宅に帰るメドすら立っていない。

  原子力安全委員会の専門委員にも十分な情報は提供されていないのです。私のコメントは公表されたわずかなデータから推測したものですが、政府による情報統 制、「菅政権(当時)による"菅口令"」のうわさを聞きます。野田佳彦首相には、すみやかに情報を公開し、さまざまな立場の研究者が事故原因の究明に取り 組める態勢をつくることを期待します。
     *
ならばやし・ただし 1952年、東京都生まれ。2005年まで東芝で原子炉の安全について研究を行う。現在は内閣府原子力安全委員会専門委員も務める


dot.
トップ>http://dot.asahi.com/
週刊朝日(最新号の詳細・ご購入)
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=14759
AERA(最新号の詳細・ご購入)
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=14777

原発は低コストのウソ「原発廃絶なら値上げ」は恫喝だ!(2011/7/13)dot.

dot.
トップ>http://dot.asahi.com/
原発は低コストのウソ「原発廃絶なら値上げ」は恫喝だ!
(更新 2011/7/13 18:31)
http://dot.asahi.com/news/domestic/2012092600541.html
※全文引用


 経済産業省を中心とした時代遅れの原子力マフィアたちは、何も知らない国民を恫喝するために、「原発を廃絶すると、石炭や天然ガスの燃料コストが上昇して、一家庭当たり毎月1千円の電気料金の上昇になる」と騒ぎ始めたが、これこそ真ッカッカの大嘘である。
  電気代は、電力会社が公益事業だからという理由で、すべての必要経費を計上したあと、その4・4%相当分の報酬を加えるというように、原価コストに一定の 利益を加算する「総括原価方式」によって決められる。そこで電力会社は、巨額の建設費と出費を要する原発をつくればつくるほど、高い電気代を徴収できる。 一般企業がコスト削減に必死になるのに、電力業界は、むしろ無駄な出費増加で莫大な利益をあげる。これが彼らを、原発に走らせてきた諸悪の根源である。
 加えて原油などの燃料費が高騰した場合、3カ月後には、それに応じて電気料金が引き上げられる。これは理屈に合っているようだが、地域を独占する電力会社に競争相手はなく、好き放題に電気料金を引き上げてきた。

◆廃棄物処理費用、74兆円の可能性◆
  そこで立命館大学の大島堅一教授は、これまでマスメディアが検証もせずに引用してきた政府試算値(2004年公表)の発電価格をチェックしてみた。その結 果、1キロワット時の発電量当たり、液化天然ガスが6・2円、石炭火力が5・7円、石油火力が10・7円、一般水力が11・9円に対して、原発が5・3円 といちばん安くなっていることが、まったくの間違いであることを明らかにした。
 それは、原発のコスト計算で は、莫大な政府予算が投入されている研究開発費や立地対策のカネが入っていない。加えて、原発と火力では、設備稼働率を80%と仮定しているが、原発の稼 働率はせいぜい60%にしかならない。火力も30%しか動いていない。特に、夜間の原発余剰電力を利用するために建設されてきた巨大な揚水発電ダムの莫大 な費用を計算すると、原発が最も高くなる。電力への財政支出には、一般会計のエネルギー対策費と、エネルギー対策特別会計(電源開発促進対策特別会計=電 源三法交付金)があり、この財政支出を加えた総合の発電コスト(1970~2007年度平均)は、実際には一般水力が3・98円、火力が9・9円、原子力 が10・68円で、揚水発電を加味した「原子力+揚水」は12・23円になるのである。
 話はこれで終わらな い。さらにとてつもない量の放射性廃棄物という処分不能の危険物が発生し、それを処理することをバックエンドと呼んでいるが、ここに巨大なコストがかか る。電力会社は、プルトニウムを再利用すると銘打ったプルサーマル運転を強行してきたが、これを前提にしたバックエンド費用の試算結果は、2004年に政 府の総合資源エネルギー調査会が報告した内容によると、六ケ所再処理工場を40年動かすとして、建設・操業・廃止を含めた再処理費用が11兆円、放射性廃 棄物の処理・貯蔵・処分やMOX燃料(プルトニウム・ウラン混合燃料)の加工など、関連するほかの費用を合わせると18兆8800億円に達する。
  ところが、この大島教授に取材した経済誌の週刊東洋経済が、このコストを疑って試算したところ、実際にはその4倍の、74兆円に膨らむ可能性があることが わかった、とある。週刊東洋経済6月11日号が、「強弁と楽観で作り上げた『原発安価神話』のウソ」と題して、これだけ明確に原発のコスト計算の裏を暴い ているのだから、「火力を使えば電気料金が上がる」というストーリーは大嘘である。
 もともと電力会社が原発 で使ってきた無駄で巨大な出費をなくせば、逆の結果になる。実際には、自家発電の特定規模電気事業者(PPS)の電気料金は、電力会社より2割前後も安い のだ。つまり現在は、原発のために、とてつもなく高い電気料金を徴収されているのである。特に無駄で、まったく将来性のない高速増殖炉もんじゅと、六ケ所 再処理工場は、即刻、閉鎖しなければならない。そして原発から出る高レベル放射性廃棄物が莫大なコストを電気料金に加えているのだから、これ以上の高レベ ル放射性廃棄物が出ないように、一刻も早く原発すべてを廃止しなければならない。
 原発廃止への推進力となる反原発運動についても、一言申し上げたい。
  電力会社の原発はほぼ5千万キロワットだが、今夏のピーク時には、福島第一の廃炉が決まり、福島第二、東通、女川、東海第二が全滅し、浜岡が停止、柏崎刈 羽が3基再起不能で停止、さらに全土で定期検査中の原発が運転再開不能のため、事実上1300万キロワットしか稼働しない状況にある。
 この頼りない原発より、資源エネルギー庁が公表している産業界の保有する自家発電6千万キロワット(昨年9月末現在)のほうが、はるかに大きなバックアップとしての発電能力を持っている。
「原 発の代替エネルギーとして自然エネルギーに転換せよ」という声が圧倒的に多いが、日本人が"快適な生活"をするために使っている電気の大半を生み出してい るのは、現在は火力発電である。この火力発電は、日本においてきわめてすぐれた世界最高度のクリーンな新技術を導入しているので、何ら問題を起こしていな い。決して原発が、電力の大半をになっているのではない。原発は事故続きで、4分の1も発電していない。
 自 家発電をフルに活用すれば、このすぐれた、クリーンな火力だけで、「まったく現在のライフスタイルを変えずに、節電もせずに、工場のラインを一瞬でも止め ることなく」電気をまかなえる。これは、将来、自然エネルギーが不要だと言っているわけではない。多くの人が抱いている「自然エネルギーで代替しなければ 原発を止められない」という現在の反原発運動の固定観念は、まったくの間違いである。原発廃絶は、反原発運動の自己満足のために実現されるべきものではな い。産業界も含めた、すべての日本人のために進められるべきである。
 将来のエネルギー構成をどうするべきかについてはここで論じないが、原発を止めるのに、選択肢の一つである自然エネルギーは、今のところ特に必要ではない。つまり、産業界を味方につけて自家発電をフルに活用し、原発を止めることのほうが、もっと重要である。

◆ただちに必要な送電価格値下げ◆
  本誌6月10日号で特集したように、週刊朝日でこの連載を担当している堀井正明記者が各電力会社に取材した結果、興味深い電力需給についての裏の構造が明 らかになった。全国で、電力会社が他社受電の発電能力を秘密にして、取材にも答えようとしなかった。特に九州電力だけは、「発電設備ごとの能力の内訳は公 開していない。経営戦略情報なので教えられない」と、火力・水力・他社受電(自家発電からの買い取り)・原子力の内訳さえも答えないというトンデモナイ非 常識な態度をとった。この九州電力が、原発を動かせないので夏に電力不足になる、と言い立てている。
 なぜ電力会社は、これら当たり前の事実を隠そうとするのか、という疑問から、ここで重大なことが明らかになった。
  それは、彼らが安い電気を民間企業から買い取って、高い電気料金でわれわれに売って利益をあげている暴利の構造である。それを知られたくないばかりか、も う一つ「電力会社が自家発電をフルに利用すれば電力不足が起こらない」、この事実を国民に知られると、産業界からも、一般消費者からも、「送電線を自家発 電の民間企業に開放せよ!」という世論が生まれる。そして制度が改善されて、誰もが送電線を自由に使えるようになると、地域を独占してきた電力会社の収益 源の牙城が崩れる。送電線の利権だけは、何としても電気事業連合会の総力をあげて死守する必要がある、と彼らは考えている。九つの電力会社にとって、福島 原発事故を起こした今となっては、原発の確保より、送電線の確保のほうが、独占企業としての存立を脅かすもっと重大な生命線である。そのため、自家発電の 電気を買い取らずに、「15%の節電」を要請するという行動に出てきたのである。
 したがって日本人は、「自 然エネルギーを利用しろ」と主張する前に、「送電線をすべての日本人に開放せよ!」という声をあげることが、即時の原発廃絶のために、まず第一に起こすべ き国民世論である。何しろ、送電線が開放されて、安価に送電できなければ、自家発電ばかりでなく、自然エネルギーの自由な活用もできないのだから。
  しかし送電線事業の分離には時間がかかると予想されるので、それまで電力不足が起こらぬよう、国会は、全産業が安い送電費用で電気を供給できるよう、ただ ちに電力会社に送電価格値下げの命令を下し、それによって国民生活と企業活動を守ることが至上命題である。 (構成 本誌・堀井正明)
ひろせ・たかし 1943年生まれ。作家。早大理工学部応用化学科卒。『二酸化炭素温暖化説の崩壊』(集英社新書)、『原子炉時限爆弾--大地震におびえる日本列島』(ダイヤモンド社)など著書多数。今回の連載に大幅加筆した新刊『FUKUSHIMA 福島原発メルトダウン』(朝日新書)が5月13日に緊急出版された


dot.
トップ>http://dot.asahi.com/
週刊朝日(最新号の詳細・ご購入)
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=14759
AERA(最新号の詳細・ご購入)
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=14777

2013年10月25日金曜日

太陽光は拡大 新エネ比率1.6% 世界水準及ばず 2013年9月16日 朝刊【東京新聞】<大友涼介です。>

太陽光は拡大 新エネ比率1.6% 世界水準及ばず
2013年9月16日 朝刊【東京新聞】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013091602000125.html
<大友涼介です。>
トップ>http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/
「太陽光は拡大 新エネ比率1.6% 世界水準及ばず」2013/09/16(東京新聞)
2013-09-16 10:02:34
http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/entry-11614822528.html
▼全文転載


「太陽光は拡大 新エネ比率1.6% 世界水準及ばず」2013/09/16(東京新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013091602000125.html

$大友涼介です。


<引用開始→

 東京電力福島第一原発の事故後、国内で太陽光発電が急拡大している。地熱、風力など自然の力を生かした発電への注目度も上昇。ただ、太陽光に比べると普及は進んでいない。これら「新エネルギー」の拡大は、発電所などの開発を促す規制緩和が進むかどうかにかかっている。

 日本は福島で事故が起きるまで原発を増やし続けてきたため、すべての発電設備に占める「新エネルギー」の比率はまだ1・6%。スペインの18・5%、ドイツの14・7%より大幅に低く、6・2%の英国、4・4%の米国にも及ばない。

 政府は新エネルギーを拡大させようと昨年七月、家庭や民間事業者が新エネルギーによって発電した際には国がコストに見合った価格を決め、電力会社に買い取らせる新制度を導入した。

  電力会社は買い取り費用を消費者の電気料金に上乗せしているが、買い取り価格は以前より大幅に上がった。このため、家庭や事業者が、発電施設を建物の屋根 などに設置しやすい太陽光発電が急拡大。東日本大震災後の二〇一一年度分と一二年度の発電力は、ともに前年度との比較で27%増えた。

  このほか注目度が高まったのは、マグマで暖められた温水を使って発電する地熱発電。火山が多い日本には、最新型の原発十七基分に当たる二千三百四十万キロ ワット分の電力が眠るとされる。ただ、発電には大規模な設備が必要。火山に近い有望な土地は国立公園内に集中し、開発に制限があるため、実際には地熱発電 による電力は五十二万キロワット程度しか利用されていない。

 風力発電は発電に使う風車が出す騒音など環境に与える影響を調べねばならず、新設には数年が必要。一段の普及にはまだ時間がかかる見通しだ。最近は海洋上に風車を設置する「洋上風力」の研究も進んでいる。




<大友涼介です。>
トップ>http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/

東電 使用率95%超す日なし 2013年9月16日 朝刊【東京新聞】<大友涼介です。>

東電 使用率95%超す日なし
2013年9月16日 朝刊【東京新聞】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013091602000132.html
<大友涼介です。>
トップ>http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/
「東電 使用率95%超す日なし」2013/09/16(東京新聞)
2013-09-16 09:44:26
http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/entry-11614813876.html
▼全文転載


「東電 使用率95%超す日なし」2013/09/16(東京新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/scheduledstop/list/CK2013091602100004.html

$大友涼介です。


<引用開始→

  今夏、西日本を中心に記録的な猛暑日が続いたが、電力不足は回避できそうだ。本紙が原発のない沖縄を除く電力九社の電力需給を調べたところ、東日本はかな り余力があり、西日本では一部で厳しい日もあったが、大半は問題なかった。この間、動いていたのは関西電力大飯原発3、4号機の二基のみ。ほかの電力会社 は原発なしで猛暑を乗り切った。 (岸本拓也・吉田通夫記者)


 本紙は七月から九月上旬まで、電力各社の資料や取材を基に、各日のピーク時、各社が用意した供給力の何割が使われたかを示す使用率の推移を調べた。

 北海道、東北、東京の電力三社では、使用率が90%未満の「安定」した状態がほとんど。95%以上の「厳しい」日はゼロだった。

  猛暑とはいえ、西日本ほどでなかったことや、東日本大震災から三度目の夏を迎え、家庭や企業の節電が定着した効果が大きい。政府は今夏震災後初めて数値入 りの節電目標を定めず、節電PRも控えめだった。にもかかわらず猛暑だった二〇一〇年夏と比べ、今夏の最大需要は三社とも10%以上減っていた。

 一方、気温三五度以上の猛暑日に連日見舞われた西日本では、冷房などの需要が増え、「やや厳しい」(90%以上95%未満)日が目立ったものの、全体的には「安定」が大勢を占めた。ただ、原発依存度が高かった関電と九州電力では、「厳しい」がそれぞれ四日あった。

  西日本各地で気温が上がった八月二十二日には、関電の火力発電所がトラブルで停止。余力のあった中部電力と北陸電力から計五十万キロワットを送ってもら い、乗り切った。関電の担当者は「大飯原発3、4号機が動いていなければ電力は足りなかった」と、原発の必要性を強調する。

 だが、この日、日本全体でみれば、東日本の三社で少なくとも計四百四十万キロワット近い余力があった。東西では電気の周波数が違い、変換して融通できる電力には限りがあるものの、それでも八十万キロワットを関電に送ることが可能だった。

 東西で電力を送れる量は今後、大型の原発二基分に相当する二百十万キロワットに拡大する。広域で支え合う仕組みが整えば、原発に依存しなくても電力不足の心配は減る。

 電力需給に詳しい植田(うえた)和弘京大大学院教授は「需給だけをみれば、原発は必要ないことがはっきりした。広域の融通体制の強化や、節電で利用者が得をする料金体系の拡充など、対策の余地はまだある」と指摘する。

$大友涼介です。





<大友涼介です。>
トップ>http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/

「火力で財務悪化」強調 6電力 相次ぐ値上げ2013年9月16日 朝刊【東京新聞】<大友涼介です。>

「火力で財務悪化」強調 6電力 相次ぐ値上げ
2013年9月16日 朝刊【東京新聞】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013091602000126.html
<大友涼介です。>
トップ>http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/
「火力で財務悪化」強調 6電力 相次ぐ値上げ」2013/09/16(東京新聞)
2013-09-16 09:58:57
http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/entry-11614820079.html
▼全文転載


「火力で財務悪化」強調 6電力 相次ぐ値上げ」2013/09/16(東京新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013091602000126.html

$大友涼介です。



  東京電力、関西電力など電力六社は原発の停止によって燃料費の高い火力発電の比率が上がったとし、電気料金を相次ぎ値上げしてきた。料金を据え置く中部電 力など三社も含め、各社は「原発の稼働が遅れるほど財務は悪化する」と強調する。その一方で原発周辺の住民の避難計画の整備が遅れるなど、国民の安全、安 心を守る議論は進んでいないのが実態だ。

 電気料金を引き上げた六社は一定の時期に原発が再稼働する前提で燃料費を計算し、値上げ幅を決 めた。特に東電は柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を今年四月と想定。既に五カ月が経過し、広瀬直己(なおみ)社長が「二〇一四年三月期の経常損益の黒字化 を必ず達成するため、あらゆる手段をとる」と再値上げもちらつかせ再稼働を求める。

 値上げをしていない中部電も十七日、来年四月からの料金引き上げ実施を政府に申請すると表明する見通しだ。

 電気料金は円安に伴う原油などの燃料価格の上昇分を毎月反映する制度によっても上がり、家計を圧迫している。電力各社はコスト削減を進めてはいるが、その内容は設備工事の際に複数の業者に競わせて工事の価格を下げるなど、震災前から取り組めたはずの項目も含まれている。

 このため一般企業からは「電力業界の意識は甘く、もっとコストは抑えられる」(電子部品製造会社幹部)など、安易な値上げや原発の再稼働に「待った」をかける声も相次いでいる。


<大友涼介です。>
トップ>http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/

2013年9月7日土曜日

安倍政権のエネルギー政策はいったいどうなる!? 首相のリーダーシップが試される「電力システム改革」の行方2013年07月17日<現代ビジネス>

現代ビジネス
トップ>http://gendai.ismedia.jp/
安倍政権のエネルギー政策はいったいどうなる!? 首相のリーダーシップが試される「電力システム改革」の行方
2013年07月17日(水) 磯山 友幸
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36438
▼全文転載

 参議院議員選挙の投票日が近づいてきた。7月に入り、日本列島は例年にない猛暑に見舞われているが、まったくと言ってよいほどエネルギー問題は争 点になっていない。自民党や公明党は、原子力発電所の再稼働が必要という立場だが、世論を刺激するような強硬な物言いは避けているように見える。
 選挙公約にしてもこんな具合だ。
 「原子力発電所の安全性については、原子力規制委員会の専門的判断に委ねます。その上で、国が責任を持って、安全と判断された原発の再稼働については、地元自治体の理解が得られるよう最大限の努力をいたします」
 この文章を読む限り、何が何でも原発を再稼働させようとしているわけではない、と言っているようにも見える。社民党や共産党はもちろん、日本維新の会やみんなの党など野党のほとんどは「脱原発」を掲げているが、正面からぶつかって来ない与党を攻めあぐねている。
 昨年の夏前、民主党政権は、「原発を再稼働しなければ夏場の電力が足りなくなる」と繰り返し喧伝し、7月1日に関西電力大飯原子力発電所を再稼働 させた。昨年を上回る猛暑が続いても、今年はそんな「危機を煽る」手法は封印されている。選挙前にどこかの原発を再稼働させていたら、選挙戦の様相はまっ たく違ったものになっていただろう。それは、東京電力が柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働の前提となる安全審査の申請に動き出したことに対する新潟県の反発 などを見ても明らかだ。


 では、選挙後に、安倍政権はどんなエネルギー政策を推し進めようとしているのか。

与野党が合意した「電気事業法改正案」は廃案に

6月26日、会期末を迎えた通常国会は、事前の見込みを覆す異例の展開となった。参議院の会議に出席を拒否した安倍首相に対して、野党側が問責決 議案を提出。野党の賛成多数で可決してしまったのである。これによって、与野党の合意で成立が確実だった「電気事業法改正案」が、廃案になってしまったの である。
 安倍内閣は4月2日、「電力システムに関する改革方針」を閣議決定していた。地域ごとに独占を認めている現在の電力供給の仕組みを見直し、家庭ご とに電力会社を選択できるようにするなど、3段階に分けて改革を進める方針を明確にした。その第1段階の法改正が頓挫してしまったのである。
 3段階の改革とは、まず2015年をメドに「広域系統運用機関」を新設して、地域を越えて足りない電力を融通しやすくするのが第一歩。続いて、 2016年をメドに新しい発電会社が、家庭向けに電力を販売することを認め、企業向けから家庭向けまですべての電力販売を自由化するとした。さらに第3段 階として、長年の懸案だった既存の電力会社から送配電部門を切り離す「発送電分離」に踏み切る。2018年から2020年をメドに実現を目指す、としてい た。
 発送電分離には、電力業界だけでなく、所管する経済産業省内にも反対論が根強く存在する。長い間、9つの電力会社(沖縄を加えると10社)がそれ ぞれの地域の独占権を握る「9電力体制(10電力体制)」こそが、電力を安定供給するためには不可欠だとされてきた。安倍首相は、そんな独占体制に風穴を 開けたのである。
 6月に英国・北アイルランドの避暑地ロックアーンで開かれたG8サミット(主要国首脳会議)に出席した安倍首相は、その途上、ロンドンで講演を行った。そこでもこんな発言をした。
 「日本の再興に必要なものは、古い日本を新しくし、新しい日本をもっと強くする、強力な触媒です。対日直接投資にその期待がかかります。2020 年までに、外国企業の対日直接投資残高を、いまの2倍、35兆円に拡大します。最近の相場で換算すると、3,700億ドルを上回る規模になります」
 つまり、外国企業に日本への投資を呼びかけたのである。海外からヒト・モノ・カネが集まらなければ、経済は発展しない。だが、外国企業は、道楽で日本に投資するわけではない。チャンスがなければカネはやってこない。


 そのチャンスとして安倍首相が持ち出したのが、電力市場改革だった。「限りないイノベーションの起こり得る、大きな市場が、日本に現れようとして います」「つい先日、半世紀以上続いた市場の寡占に終止符を打ち、電力市場の自由化と、送配電の分離を進める意思決定をしたのです」と胸を張って見せたの である。

電源の多様化には「電力システム改革」の早期実現が不可欠

もちろん今でも、電力業界やその意向を受けた議員、役所の一部には、地域独占を守るべしという意見が根強くある。これまでは、地域独占を認める一 方で、「総括原価主義」と呼ばれる電力料金の決定方法がとられてきた。燃料価格の上下を自動的に料金に転嫁する「燃料費調整制度」もある。
 つまり、電力会社は競争から解き放たれ、停電や事故を起こさず、高品位の電気を安定的に提供することだけが使命であったのだ。その独占体制を守る最大の砦が「発送電」の一体化維持、つまり「発送電分離阻止」だったのである。
 そんな反対論を押し切る形で閣議決定したにもかかわらず、「骨抜き」を懸念する声が挙がった。反対派への配慮から、発送電分離法案の提出時期を 「2015年を目指す」という努力目標のような表現にしてしまったためだ。さらに、第1弾の法案が廃案になったことで、改革の遅れが懸念される。反対派が 巻き返す時間的余裕ができたという見方もできる。
 しかし、だからと言って、時計の針が逆を向いて動くことはなさそうだ。
 原発事故に直面した経済産業省でも若手の課長級を中心に、「脱原発依存」はもはや不可避で、「発送電分離」などの自由化を大きく進めなければ電力コストの上昇で早晩やっていけなくなる、という見方が支配的になっている。
 総括原価主義を維持したままでは、家庭向け電力料金の大幅な上昇は避けられない。消費者の不満を爆発させないためには、「発送電分離」や自由化によって「電力会社を選ぶ」選択肢を増やすしかない、というわけだ。それが「電力システム改革」の閣議決定に至った理屈だった。
 「原発に対する国民世論が厳しいことを考えれば、原発への依存度はせいぜい10%ぐらいだろう」と、電力システム改革の原案づくりに携わった経産 省の中堅幹部は言う。そうなった場合、他を自然エネルギーだけですべて賄うのは無理だ。石炭やLNG(液化天然ガス)、原油の需要が高まるのは明らかだ。


 「日本の太陽光電力市場は、今年度、再び、世界でトップクラスの規模を取り戻します。風力、波力、バイオマス、水素そして燃料電池。私たちの前には、多様な機会が現れています」
 ロンドンでの講演で安倍首相は、多様な電源を追求することが新たなイノベーションを生み、投資機会を生むと強調した。電源の多様化を目指せば、ド イツなどが進めた地域分散型のエネルギー供給へと進んでいく。全国を送電線網で結び、大規模な発電所を建設して安定的にエネルギーを供給する体制から、地 域の実情に合った中小規模の電源開発へと流れは変わっていくだろう。
 ミニ水力やバイオマスなどに加え、コージェネレーション(熱電併給)システムの導入拡大なども重要なテーマになってくる。コージェネは、排熱を再利用するためエネルギー効率は高い。そうした電源の多様化が進むためにも、「電力システム改革」の早期実現が不可欠だ。
 世界に向けて大見得を切った安倍首相が、選挙後にどんなリーダーシップを見せるのか。大方の予想通り、電気事業法がすんなり改正されるか。秋の臨時国会に注目したい。

磯山友幸 (いそやま・ともゆき)
硬派経済ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。日本経済新聞社で証券部記者、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、日経ビジネス副編集長・編集委員などを務め2011年3月末で退社・独立。著書に『国際会計基準戦争・完結編』『ブランド王国スイスの秘密』など。熊本学園大学招聘教授、上智大学非常勤講師、静岡県"ふじのくに"づくりリーディングアドバイザーなども務める。Twitterアカウントは@isoyant



現代ビジネス
トップ>http://gendai.ismedia.jp/
日刊ゲンダイ
トップ >http://gendai.net/
週刊現代
http://online.wgen.jp/
フライデー
http://p.friday.kodansha.ne.jp/pc/index.html