2012年12月13日木曜日

浜岡原発元設計士「耐震強度データに偽装があった」と告発(NEWSポストセブン)

★これは、元技術者の実名告発ですが、「※女性セブン2011年5月26日号」に記事が掲載され、「NEWSポストセブン」には、今も記事が掲載されています。しかし、例によってマスコミは、アッサリと無視しました。去年からこれまで、この問題が追求されたと言う話は、聞いていません。皆さんは、「どう?思われるでしょう???」。問題を忘れないように、再掲載します。人間は、よく忘れますからネ???

 NEWSポストセブン
トップ>http://www.news-postseven.com/
浜岡原発元設計士「耐震強度データに偽装があった」と告発
2011.05.13 16:00
http://www.news-postseven.com/archives/20110513_20215.html
▽全文引用



「技術者が不完全なものを造るわけにはいきません。しかもあれほど危険なものを平気で造ることなんて…」
目に涙を浮かべてこう話すのは、千葉県在住の元エンジニア谷口雅春さん(69)。東芝の子会社である「日本原子力事業」の技術者として、谷口さんは 30年以上も昔、浜岡原子力発電所2号機の設計に携わった。1970年ごろから神奈川県横浜市にある東芝の工場に出向し、原子炉の炉内構造物の設計を担 当。当時、建設中の浜岡原発2号機については「炉心支持構造物」という原子炉の中枢部分の設計にかかわり、耐震計算に必要な重量データを集計していた。
“事件”が起きたのは1972年5月だった。数十人の設計者のうち代表3人だけで開かれた会議に谷口さんも出席していた。そこで代表者のうちの1人がこう打ち明けたのだった。
「いろいろ計算したがダメだった。この数値では地震が来ると2号機はもたない」
担当者がダメだという最大の理由は岩盤だった。浜岡辺りでは200年周期でマグニチュード8クラスの大地震が起きているため、岩盤が極めて脆かったという。
「浜岡の地盤はそもそも岩どころか、握りつぶすことのできる砂利の集まったシャーベットのような状態でした。さらに、大地震による断層や亀裂ばかりでぐちゃぐちゃになっていたんです」(谷口さん)
さらに原子炉建屋と核燃料集合体の「固有振動数」が、想定される地震の振動の周期に近いことがわかった。固有振動数と同じだと揺れが何倍にも大きくなる「共振現象」を引き起こし、地震のリスクが激増してしまう。
あまりにショッキングな報告に「建設中止もやむをえないか…」と思った谷口さんの目の前で、先ほどの担当者がこう言った。
「データを偽装して、地震に耐えられることにする」
2号機は通産省(当時)に設置許可申請を出す直前だった。谷口さんが振り返る。
「担当者は“岩盤の強度を測定し直したら、福島原発並みに岩盤は強かったことにする”“固有振動数はアメリカのGE社が推奨する値を採用し、共振しないことにする”などと次々と“対策”をあげていくんです」
堂々の“偽装宣言”を耳にした谷口さんは、良心の呵責に苛まれた。
「事故を起こしたら大変なことになるのは明白でした。技術者として、そんな危険な原発を造るなんてできるわけがありません。悩んだ末、私が辞めることで何かしら警告になるのではないかと思い、会社を去ることにしたんです」(谷口さん)
上司に辞意を伝えて自分のデスクに戻ると、耐震計算の結果がはいった3冊のバインダーがなくなっていた。
「隠ぺいが漏れないようにということからか、関連会社の仕事をいろいろ斡旋され慰留されました。でも、続けていても飼い殺しになるだけ。きっぱり辞 めることを決めました。しかし残念ながら私の退社はまったく警告になることなく、彼らは原発建設を強行してしまったんです」(谷口さん)
※女性セブン2011年5月26日号

2012年12月11日火曜日

活気づく「脱原発」政党、自民は沈黙 敦賀廃炉の公算大(朝日新聞デジタル)

朝日新聞デジタル
ホーム>http://www.asahi.com/
活気づく「脱原発」政党、自民は沈黙 敦賀廃炉の公算大
2012年12月11日7時58分
http://www.asahi.com/politics/update/1211/TKY201212110303.html

◇全文引用

図:原発再稼働をめぐる主な党首の発言拡大原発再稼働をめぐる主な党首の発言

 日本原子力発電敦賀原発(福井県)が廃炉になる公算が大きくなり、衆院選で「脱原発」を訴える政党は活気づいた。苦戦を強いられているだけに、反転攻勢に向けてアピールに躍起だ。一方、政権に返り咲くと判断を迫られる自民党は沈黙している。
 「今日は歴史的な転換点の日。活断層なので再稼働すべきではないという判断を規制委員会の委員長自身がした。まさに原発ゼロに向かって歩み出した。この流れを止めてはならない」
 民主党の細野豪志政調会長は10日、福島市での演説でこう強調し、脱原発を掲げる党への支持を訴えた。
 6月の関西電力大飯原発(福井県)の再稼働の判断には細野氏も加わり、野田政権が決めた。この日、野田佳彦首相がコメントする機会はなかった。ただ、民主党内では選挙戦にプラスに働くとの期待が広がる。
 菅直人前首相は「早く廃炉手続きに入るべきだ。こういう形での廃炉は初めて。国民に理解していただければ、大変大きな意味を感じてもらえる」と勢いづ く。閣僚経験者は「民主党の主張が再稼働ありきではないことが証明された。もっと原発問題を訴えていけばいい」と歓迎。別の中堅は「ちゃんと原子力規制委 員会が機能している証拠。自民党は3年以内に再稼働するかどうかを判断するとしているが、それでは遅い」と誇った。
 報道機関の序盤情勢調査では、民主党や日本未来の党など「脱原発」を公約に掲げる党の苦戦が目立つ。超党派の「原発ゼロの会」や脱原発基本法案の賛同者に名を連ねた前議員で、朝日新聞の調査で優勢だったのは1割程度にとどまる。
 再稼働反対を掲げる未来の嘉田由紀子代表は10日、名古屋市で記者団に「委員全員が活断層だと言っている以上、即時廃炉を求めていくしかない」と強調。 「既成の大政党が本気で(原発を)やめる気がない。実践的な提案を出したという意味で未来の党しかない」と訴え、巻き返しを図る。
 日本維新の会は選挙公約とともに発表した政策実例で「既設の原子炉による原発は2030年代までにフェードアウト(消えていく)」と記したが、脱原発を 強調する勢力とは一線を画してきた。それでも所属議員の一人は「電力側が安全を証明しない限り、原発は止めないといけない」と語る。公明党の山口那津男代 表も10日、取材に「専門的な判断は尊重しなければならない」と語った。
 一方、自民党は公約で「原発の安全性については、原子力規制委員会の専門的判断に委ねる」とし、再稼働の可否は「3年以内の結論を目指す」と先送り。 「脱原発」の世論が逆風となる展開にはなっておらず、このまま封印しておきたいのが本音。再稼働に関しても主張は鮮明にしていない。政権に戻ればさっそく 判断が問われることになるが、幹部の一人は「今も止まっている原発の再稼働は難しいと言っても仕方ない」と言葉を濁した。

関連記事

敦賀原発 運転認めず 直下活断層と判断(東京新聞 TOKYO WEB)

東京新聞 TOKYO WEB
トップ >http://www.tokyo-np.co.jp/
敦賀原発 運転認めず 直下活断層と判断
2012年12月11日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012121102000083.html

◇全文引用

 
写真
 日本原子力発電(原電)敦賀原発(福井県敦賀市)の断層(破砕帯)を調べた原子力規制委員会の専門家チームは十日、評価会合を開き、2号機直下を 活断層が通っている可能性が高いと判断した。国は活断層の真上に原発を建てることを禁じており、規制委の田中俊一委員長は「運転再開の安全審査はできな い」とし、運転は認められないと表明。敦賀原発は廃炉を迫られる公算が大きくなった。 
 敦賀原発では、1、2号機の東約二百五十メートルの敷地内を、活断層である浦底断層が走っている。浦底断層から枝分かれするように約百九十本の破 砕帯が原子炉直下などに通じている。当初、浦底断層から延びる2号機直下に続く「D-1破砕帯」が、浦底断層につられて動くかどうかに主眼が置かれてい た。しかし、現地調査では、浦底断層と破砕帯が交わる場所近くの試掘溝で地層の大きなずれがあることが確認された。
 このずれを中心に、十日の会合でチームの専門家四人が議論した結果、ずれは十数万年前以降の比較的新しい時期に、浦底断層の活動に伴って生じたものだと判断された。
 チームは、むしろこのずれこそがD-1破砕帯の本体である可能性が高いとの見方を示した。島崎邦彦委員長代理も「ずれはD-1破砕帯の延長か分岐の上にあると考えられる」と指摘した。2号機の下を活断層が通っていることの証拠になると結論付けた。
 これを受け、会合に出席していた田中委員長が運転は認められないとの考えを示した。十二日の規制委の定例会に結論を報告し、各委員に諮る。
 会合では浦底断層の危険性を問題視する意見も相次ぎ、チームの宮内崇裕千葉大教授は「原発直下の破砕帯以上の脅威。こういう活断層が敷地内にあることが驚きだ」と批判した。島崎氏も「活断層があると分かっていれば、普通、原発は建てない」と述べた。
 規制委は敦賀を含め全国六原発を対象に断層調査を進める。
 大飯原発(福井県おおい町)では関西電力に試掘溝を拡大するよう指示し、東北電力東通原発(青森県東通村)は十三、十四日に現地調査をする予定。
 残る関電美浜(福井県美浜町)、日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」(同県敦賀市)、北陸電力志賀(石川県志賀町)の三原発は、年明け以降に調べる。

東電幹部を任意聴取=政府関係者も広範囲に-原発事故捜査・検察当局(時事通信)

時事通信
ホーム>http://www.jiji.com/
東電幹部を任意聴取=政府関係者も広範囲に-原発事故捜査・検察当局
(2012/12/09-02:31)
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2012120800268

◇全文引用

 東京電力福島第1原発事故をめぐり、業務上過失致死傷容疑などの刑事告発を受理した検察当局が、東電幹部ら告発対象者を含む関係者を広範囲に任意で事情 聴取していることが8日、分かった。地震や津波の予測や、事故を防ぐ対策が可能だったかについて、認識を確認するなどしたとみられる。
 検察当局はこれまで、東電や政府の関係者、国会議員ら100人を超える主要な事情聴取対象者をリストアップし、うち約50人について既に聴取した。早ければ来年春にも刑事処分する方向で捜査を本格化させている。
 東京、福島両地検は8月、東電幹部らが地震や津波への対策を怠り、周辺住民に傷害を負わせたなどとする告発を受理し、捜査を開始した。
 関係者によると、検察当局は約20人の専従体制を敷き、東電や旧原子力安全委員会、旧原子力安全・保安院、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)を所管する文部科学省の担当者らの聴取を進めてきた。
  検察当局は、事故を誘発する地震・津波の発生が予測できたかを捜査の焦点と捉えている。東電は大地震時に発生する津波を最大15メートル超と試算していた が、5.7メートルまでの対策しか取っておらず、こうした試算の位置付けや、試算を受けた津波対策などについて、当時の幹部らから事情を聴いたとみられ る。
 検察当局は既に、原発敷地内に立ち入って事故現場も確認。事故と被害との因果関係を探るため、被災者からも説明を受けたもようだ。
 業過致死傷容疑などの捜査では、予見可能性に加え、被ばくを傷害と認められるかどうかなど課題が多く、立証には困難が予想される。(2012/12/09-02:31)

廃炉 法的規定なし 運転停止 電力会社への「要請」<東京新聞 TOKYO WEB>

東京新聞 TOKYO WEB
トップ >http://www.tokyo-np.co.jp/
廃炉 法的規定なし 運転停止 電力会社への「要請」
2012年12月11日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012121102000082.html

◇全文引用

 国は活断層の上に原発を建てることを認めていない。しかし、完成後の原発で活断層が見つかったとき、どう扱うのか法的な決まりはない。原子力規制委員会は運転を禁じることも廃炉も、強制はできず、電力会社への要請という行政指導で対応することになる。
 活断層についての規定は、原発の耐震設計審査指針の手引に書かれている。「活断層の直上に耐震上重要な建物を設置することは想定していない」とあり、活断層上の建設を禁止する趣旨と解釈されている。
 規制委の田中俊一委員長が、日本原子力発電敦賀原発(福井県)を、安全審査の対象から外し、再稼働させない考えを示したのも、こうした規定を根拠にしている。
 ただ、規制委の事務局を務める原子力規制庁によると、規定は建設前の状況を想定したもので、完成後に活断層が見つかった場合のことは想定していないという。
 定期検査にしても、現在は行政指導で止めているが、法的には申請されれば検査をし、一定の性能を満たせばパスさせることになっている。
 規制委が原子炉等規制法に基づく運転停止の強制力を持つのは、来年七月になってからのことだ。
 廃炉に関しては、今後も規制委は命令できず、あくまで電力会社の判断となる。田中氏は「経済的な理由から廃炉せざるを得なくなるのでは」と話すが、不確定要素が多い。

インドネシア東部でM7・1 津波警報なし<東京新聞 TOKYO WEB>

東京新聞 TOKYO WEB
トップ >http://www.tokyo-np.co.jp/
インドネシア東部でM7・1 津波警報なし
2012年12月11日 04時27分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012121101001201.html

◇全文引用
 【ジャカルタ共同】米地質調査所(USGS)によると、インドネシア東部のバンダ海で、11日午前1時53分(日本時間同)ごろ、マグニチュード(M)7・1の地震があった。インドネシア国家災害対策庁によると、死傷者が出たとの情報はない。
 震源はタンニバル諸島沖のバンダ海で、震源の深さは157・7キロ。津波警報は出ていない。

2012年12月10日月曜日

ドクターZは知っている> 国民会議に期待できるのか(現代ビジネス)

現代ビジネス
トップ>http://gendai.ismedia.jp/
ドクターZは知っている
国民会議に期待できるのか
2012年12月09日(日)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34227
▼全文引用

(1)
 ついに11月30日から「国民会議(社会保障制度改革国民会議)」がスタートした。将来の年金、医療制度などのあるべき姿などについて論じるというのがその目的で、このほど委員15人を選出した。
 少子高齢化が進む日本では現行の社会保障制度の改革が必須で、どれだけの改革案が出されるのかに注目が集まる。しかし結論を先取りしていえば、この会議は「役所の隠れ蓑」の気配が濃厚で、国民の期待にこたえる成果は生み出せそうにない。
 政府の会議というのは、どのようなメンバーが選ばれているかを見ることで、その「結論」がだいたいわかる。たいていの場合、メンバーを推薦するのは霞が関の官僚で、自分たちにとって望ましい結論を得るにはどのようなメンバーにするのがベストかを逆算して選んでいる。
 もちろん政治家が最終的なメンバー選定に責任を持つが、いかんせん人物に対する情報量が官僚に比較すると少なすぎるので、官僚側の意向が通ってし まうケースがほとんどである。まれに政治家に推薦された有識者がメンバーになることもあるが、多くの場合は多勢に無勢であって、官僚と官僚側推薦のメン バーに最後は丸め込まれてしまう。
 では、「国民会議」のメンバーはどうだろう。
 まず会長の清家篤・慶応義塾塾長。福田政権で社会保障国民会議の座長を務めた人物で、現在は厚労省労働政策審議会委員。官僚の意向を聞きながらそれ以外の意見も聞くバランス感覚は抜群で、民自公の3党合意という枠組みで不可欠な存在といえる。
 大日向雅美・恵泉女学園大大学院教授。厚労省の社会保障審議会少子化対策特別部会部会長や、内閣府の子ども・子育て新システム検討会議幼保一体化ワーキングチームの座長を務めた。保育所と幼稚園の関連団体寄りの意見がやや目につく。
 遠藤久夫・学習院大教授。中央社会保険医療協議会会長、社会保障審議会医療保険部会部会長など、厚労省傘下の部会、審議会の常連。現状肯定的で、厚労省の方針に大きく反することは言わないタイプとの評判も。
権丈善一・慶応大教授。現状の年金制度のままで問題ないと主張しており、厚労省が批判を恐れておおっぴらに主張できないことを代弁する機能を果たした。
伊藤元重・東大大学院教授。各種の政府審議会の常連で有名な経済学者だが、社会保障制度には詳しくない。厚労省にとっては御しやすく、著名な名前を借りられるということで一石二鳥。「国民会議」で出た結論をテレビなどで解説する役割か。

(2)
 永井良三・自治医科大学長。東大病院にも勤務し、天皇陛下の心臓の冠動脈バイパス手術を担当した。優秀な医師で大学病院での経験が長いが、行政や政策に詳しいとはいえず、細かい議論に対応できるか疑問。「国民会議」で出された結論を一般人向けに権威付ける役割か。
増田寛也・元岩手県知事。社会保障は国の仕事とされているが、実際には地方自治体が実務を担う。そこで、地方も考慮しているというメッセージの人選。地方は国から仕事を押しつけられ、財源も十分でないと不満があるが、それを懐柔するつもりだろう。
 こうしてみると「国民会議」は官僚主導がアリアリで、「現状維持+少しのその場しのぎ策」という結論が出るのはミエミエだ。この際、民自公の枠組みを打ち壊して、総選挙後の政権がメンバーを再構築したほうがいいだろう。
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古賀茂明「日本再生に挑む」第44回 第三極の「仮面舞踏会」(現代ビジネス)

現代ビジネス
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古賀茂明「日本再生に挑む」
第44回 第三極の「仮面舞踏会」
 2012年12月08日(土) 古賀 茂明
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34230
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34230?page=2
▼全文引用

(1)
 11月27日、嘉田由紀子・滋賀県知事が新党「日本未来の党」の立ち上げを発表し、「国民の生活が第一」(小沢一郎代表)と「減税日本・反 TPP・脱原発を実現する党(脱原発)」(河村たかし共同代表ら)、さらに「みどりの風」(谷岡郁子共同代表ら)の一部の合流が決まった。日替わり政党メ ニューのドタバタ劇。本稿掲載前の情勢急変もありうるが、あえて解説してみたい。
橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」が国政政党「日本維新の会」を設立した9月以降、政界が一気に流動化し始めた。平沼赳夫氏らの「たちあがれ 日本」が石原慎太郎氏を共同代表に迎えて「太陽の党」を作ると、維新の会と合流を希望していた河村氏の「減税日本」が維新にふられて太陽に乗り換え、合流 発表した。と思ったら、太陽は、減税との婚約を破棄して政策不一致の維新と解党までして合流。
 一方、政策がほとんど一致して結婚確実と見られていた渡辺喜美代表の「みんなの党」と維新の合流話が結局破談になると、今度は未来がみんなに接近を始めたと報じられた。
 有権者から見ると節操のない政治家たちの離合集散ということになるのだろうが、その裏には、第三極の中の二つの対立劇が隠れている。一つは、小沢対石原という因縁の「仮面対決」。もう一つは、第三極内部の「寄生虫退治」の戦いである。
 国政政党結党時の国会議員団の顔ぶれがあまりに貧弱だったため急速に支持率を落としてしまった維新は、有力候補擁立もままならず、当初期待されたほどの議席獲得は困難という状況に追い込まれた。
 そこで、石原人気を利用するために政策不一致に目をつぶり太陽との合流に踏み切ったのである。石原氏から見れば、政治家人生最後の賭けに勝つに は、自分とたちあがれだけでは力不足。そこで、たちあがれの守旧派カラーを隠すために強烈な個性を持つ橋下氏のお面をかぶって国政に打って出るという戦略 を立てた。

(2)
 一方、民主党を事実上追い出されたうえに選挙で大量落選必至という状況に追い込まれた生活の小沢氏も、ネット上の支持だけが頼みで、自分が出ると リアルの世界ではむしろマイナス。そこで、「脱原発」という人気テーマ一本に絞り、自分とは真逆イメージの嘉田氏を党首に担いで国民の人気を取ろうという 作戦に出た。
 嘉田氏は、小沢氏の狙いをわかった上で、それでも「卒」原発のために数を集めるという決断をした。こうして、橋下氏のお面をかぶった石原氏と嘉田氏のお面をかぶった小沢氏という宿敵同士の戦いが始まったのである。
 他方、橋下氏と嘉田氏は、党内にかたや旧たちあがれ、かたや旧小沢グループという不純分子をそれぞれ抱えながらも数を取りに行くという賭けに出 た。選挙である程度の議席を獲得して体が大きく成長したとしても、選挙後には、体内に巣くう寄生虫退治をしない限り、その後の政策実現はおぼつかない。
 たちあがれのメンバーも小沢氏も、もう終わった政治家だが、国会での修羅場を潜り抜けてきた策士たちだ。政権公約をまとめるに当たっても、霞が関文学を駆使して徹底的に骨抜きを狙うたちあがれメンバーの粘り腰には、維新幹部も最後は妥協を余儀なくされた。
 気づくと、財務省と戦う「歳入庁設置」や農協、医師会と戦う「農業、医療の規制改革」などを政権公約の本文に掲げる政党は、初志貫徹で合流に参加 しなかったみんなの党だけになってしまった。これで、政官財のトライアングルは今回もしっかりと生き延びることができるだろう。
『週刊現代』2012年12月15日号より
こが・しげあき/改革派官僚として公務員制度改革などで活躍したが、'11年9月に退官。現在、大阪府市統合本部特別顧問を務める。著書に『日本中枢の崩壊』(講談社)、『官僚の責任』(PHP新書)などがある
大反響!
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原発は? 消費税は? TPPは? もし自民党単独政権が誕生しても、重要課題が動き出すのは来年7月の参院選からだ!{現代ビジネス}

現代ビジネス
トップ>http://gendai.ismedia.jp/
長谷川幸洋「ニュースの深層
原発は? 消費税は? TPPは? もし自民党単独政権が誕生しても、重要課題が動き出すのは来年7月の参院選からだ!
2012年12月07日(金) 長谷川 幸洋
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34264
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34264?page=2
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34264?page=3
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34264?page=4
▼全文引用

(1)
 12月5日付の新聞各紙朝刊が一斉に衆院選の序盤情勢を報じている。どこも自民党が有利に戦いを進めているとして、朝日、毎日、読売、日経の4紙は「自民が単独過半数の勢い」という見通しを打ち出した。
 半数前後の有権者がまだ態度を決めていないので、この層が動くと、情勢が大きく変わる可能性もある。だが、ここでは自民党が単独過半数を獲得すると、主要課題について政治はどう動くか考えてみよう。まず原発エネルギー政策だ。

規制委の人事をやり直すか否かが試金石

自民党は原発について原子力規制委員会の判断を優先し、すべての原発について再稼働の可否は3年以内に結論を出すとしている。再生可能エネルギー と省エネについても3年間、最大限の推進を図る構えだ。そのうえで、中長期のエネルギーについて「10年以内に持続可能な電源構成のベストミックスを確立 する」という。
 規制委がOKといえば、原発を動かす可能性が高いが、いまの段階で「全部動かす」と決めたわけでもない。逆に言えば、規制委がNOなら、全部止める可能性も理屈の上では残っている。となると、鍵を握るのは規制委である。

(2)
野田佳彦政権が決めた原子力規制委員会のメンバーは田中俊一委員長を含めて、少なくとも3人は原子力推進の立場に立つ「原子力ムラ」の人間である。人選について民主党内からも批判があり、野田政権は造反を恐れて国会承認の手続きに入れなかった。
 自民党政権になったら、ここをどうするのか。野田政権が選んだメンバーで良しとして、そのまま国会承認を求めるのか。そうであれば、自民党が衆院で過半数を握り、参院も自民と民主で過半数を超えるので、規制委人事は承認される可能性が高くなる。
 再稼働を判断するいまの基準はあくまで暫定なので、規制委は来年中に新たな本格的基準を作って再稼働を判断するだろう。それとは別に、活断層が敷地内にある疑いが指摘されている大飯原発については別途、安全を判断する運びである。
 いまの規制委を良しとせず、衆院で人事を否決したうえ、あらためて人選をやり直す可能性もある。そうなると、自民党がゼロから体制を作り直す格好だ。メンバーを入れ替えたとしても、やはり規制委を原発推進派で固めるなら、再稼働に向けて大きく傾く。
 いずれにせよ自民党は規制委をいまのままでいくのか、それとも人事をやり直すのか。記者会見でも質問が出ず、この点がはっきりしていない。自民党の原発エネルギー政策を占う試金石になるポイントである。ぜひ投票日までに明らかにしてもらいたい。

鍵は13年春の日銀総裁、副総裁人事

次に消費税について。これは景気と連動する問題である。
安倍晋三総裁は民主、公明の両党とまとめた社会保障と税の3党合意は守る、と言ってきた。一方で「デフレが続いている現状では増税できない」という立場も繰り返し表明している。つまり、3党合意が決めたとおり、2014年4月から増税するかどうかは景気次第である。
 デフレ脱却のためには、少なくとも消費者物価上昇率が1%以上で落ち着いていなければならないだろう。1%以下では話にならない。13年夏ごろに引き上げを実施するかどうか判断するとして、それまでに1%以上に達しているかといえば、これは相当難しい。
 日銀が10月31日に公表した「経済・物価情勢の展望」でも、2013年度に消費者物価上昇率はプラス0.2%から0.6%、政策委員見通しの中 央値でプラス0.4%である。足元の景気は秋以降、下り坂だ。米国、欧州、中国を見渡しても世界経済は不透明感が強く、日本の景気が単独で上向く材料はほ とんどない。

(3)
 だからこそ安倍が強調しているように、2%(できればそれ以上)の物価安定目標と大胆な金融緩和が必要なのだが、当の日銀と財務省がそれに反発しているようでは、とても1%以上への物価安定は望めない。
財務省はいったいデフレを克服して消費税を引き上げたいのか、それともデフレを続けて消費税引き上げが先送りになってもいいと考えているのか。目 先の長期金利上昇ばかりを心配して、肝心かなめのデフレ克服という最重要課題に正面から立ち向かおうとしないのでは、悲願である消費増税も消し飛んでしま うだろう。
 財政の金庫番ではあっても、金融を含めた経済政策に対する音痴ぶりが結局、自分の首を締めているのに気付かないのだ。
 鍵は13年3月の日銀副総裁人事(2人)と4月の総裁人事である。ここで2%の物価安定目標と金融緩和に積極的な総裁、副総裁が選ばれれば、株式と為替市場は政策を先取りして、一段の株高円安に動く可能性が高い。それは当然、景気にプラスに働く。
 金融緩和が「資産バブルを招く」というような論者(たとえば『週刊ポスト』12月14日号で私と対談した小幡績慶大准教授)もいるが、資産価格が 跳ね上がる前に実体経済が上向くはずだ。世の中デフレでみんな倹約しているのに、マンションの値段だけが暴騰するような事態が起きるわけがない。当たり前 だ。
 景気が良くなってきてから、さて消費税をどうするか、という話になるだろう。

TPPは「聖域あり、例外ありの関税撤廃交渉」

それから環太平洋連携協定(TPP)である。
 自民党は「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、TPP交渉参加に反対します」というのが政権公約である。しかし「聖域なき関税撤廃」または「例外なき関税撤廃」というのは、あくまで参加国のスローガンである。
 どんな通商交渉もそうだが、交渉を始めるときに、最初から「例外ありの関税撤廃を目指す」などという話はない。最初からそんなことを言ったら 「じゃ、何を例外にするのか」「あれとこれだ」「それじゃダメだ。あれも入れろ、これも入れろ」という話になって、いつまで経っても実際の交渉が始まらな いからだ。

(4)
 まずは「聖域なき、例外なき自由化」という旗を掲げる。それで交渉をスタートしてから「ところで、ここは例外にすべきだ」という話が水面下でじわ じわと始まるのである。言い換えれば、通商交渉はいつだって「例外扱いをどうするか」をめぐる交渉なのだ。そこが核心である。こんなことは政府関係者なら だれだって分かっているイロハのイだ。
 だが、そういう舞台裏のホントの話を選挙でおおっぴらに有権者に言うわけにはいかないから、自民党も建前で「聖域なき関税撤廃なら反対です」と言っているにすぎない。政権を握れば、自民党も本音でまじめに考えるはずだ。
 いずれTPPも「聖域あり、例外ありの関税撤廃交渉」であることがあきらかになるだろう。米国だって砂糖や乳製品など例外にしたい品目を抱えている。そうなれば自民党も交渉に入る条件が整う。ただし、それにはもう少し時間がかかる。
 そもそもTPPは当初、昨年秋にも妥結すると言われていた。ところが、この冬になってもまとまらない。いま「来年中には妥結か」などと言われてい るが、それもどうなるかわからない。何度もあった世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉がそうであったように、大きな通商交渉は新聞が書く日程通りに話 がまとまった試しがないのだ。だから時間はまだある。

来年7月までは安全運転か

以上、原発エネルギーと消費税、TPPについて触れてみた。実際には自民党政権ができても、重要判断は来年夏以降に先送りする可能性が高い。というのは来年7月に参院選があるからだ。
 自民党単独では、いまの参院のねじれ状況を打開できない。重要課題を無理やり動かして参院で立ち往生するくらいなら「参院選の結果が出るまで安全運転でいこう」と考えても不思議ではない。むしろ、そのほうが自然である。
 そういう情勢をみて、いまの与党内には国民新党を含めて、早くも自民党にラブコールを送る向きもある。「我々と一緒になれば、安定政権になって参院でも法案が通りますよ」というお誘いだ。さて、そんな甘い話が通るかどうか。
(文中敬称略)

 
「豪華執筆陣」の書き下ろし記事がすべて読める雑誌型コンテンツ
【執筆陣】…New York Times田原総一朗佐々木俊尚、長谷川幸洋、
リチャード・ブランソン、ハワード・シュルツ、辻野晃一郎、 浜田宏一
岩瀬大輔、マッキー牧元

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改革派政策スタッフもドン引き!? 石原新党との合併で自民党出身高齢議員に実権を握られた「日本維新の会」の実情{現代ビジネス}

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町田徹「ニュースの深層
改革派政策スタッフもドン引き!? 石原新党との合併で自民党出身高齢議員に実権を握られた「日本維新の会」の実情
 2012年12月04日(火) 町田 徹
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34219
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34219?page=2
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34219?page=3
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34219?page=4
▼全文引用

(1)
 関西を中心に政治改革の新たな旗手との期待を集めてきた「日本維新の会」が総選挙を控えて、大きく揺れている。

 関係者に取材したところ、石原新党こと「太陽の党」との合併に伴い、飲み込んだはずの自民党出身の古いタイプの政治家たちに党運営の実権を奪われてしまい、きら星のごとく結集していた改革派の政策スタッフたちがドン引き状態に陥ったのだ。

 もちろん、合併まで日本維新の会をトップとして率いてきた橋下徹氏 の立場から、12月16日に迫った総選挙の投票を睨んで、まずは第3極の勢力を 結集し、少しでも多くの議席を獲得することで国政のキャスティングボードを握る狙いがあったと好意的に合併戦略を解説する向きもある。今後、新生「日本維 新の会」がなし崩し的に改革離れに走ることはないのか、われわれ有権者は選挙戦をしっかりウォッチする必要がありそうだ。

実権を握る旧「たちあがれ日本」所属議員


 「日本維新の会」は11月29日にニコニコ動画で選挙公約を発表した。その中継をインターネット放送で見て私は驚いた。

 石原代表、橋下代表代行と並んで、司会者として同党の東京本部本部長に就任したという藤井孝男参議院議員や、同じく参議院議員の片山虎之助元総務大臣がひな壇にならんでいたからだ。

(2)
 件の政治家たちは、小泉純一郎政権の規制・郵政改革路線に反対したり、以前の選挙で高齢を理由に自民党からの公認を獲得できずに同党を離れた過去を持っている。

 そして、同じ日、筆者の取材に応じた「維新の会」関係者の話は、そうした直感を裏付けるものだった。

 この関係者は開口一番、もはや「今回の選挙には、全く関心がない」という。その原因として、片山、藤井両氏のほか、園田博之衆議院議員ら旧「たち あがれ日本」所属の国会議員の名前を挙げ、彼らが実権を握ったことで「日本維新の会」の理念が大きく揺らぎ、政治改革を目指す同党らしさが急速に失われつ つある、と明かしたのだった。

最終的な脱原発の時期などは明示せず


 実際のところ、冒頭で触れた11月29日公表の「日本維新の会」の選挙公約『骨太2013-2016 日本を賢く強くする」は、これらの話を裏付ける格好になっている。

 内容を見ると、「脱原発依存体制の構築」といった文言が復活するなど、旧「太陽の党」との合流時の政策合意に比べれば、改革への熱意を取り戻した かのような印象がないわけではない。しかし、それでも、「日本維新の会」が11月半ばに、「みんなの党」との間でまとめていた政策合意と比べると、大幅な 後退感が拭えない。

 例えば、「みんなの党」との政策合意における規制改革の目玉のひとつだった農業改革は、「農業の成長産業化」という農家の反発を抑える表現に置き換わった。さらに、「みんなの党」との合意では、「参加」だった「TPP」が、今回は「交渉参加」に大きくトーンダウンした。

 国民の最大の関心事である脱原発でも、「基本方針」として「先進国をリードする脱原発依存体制の構築」というひと言こそ復活したものの、具体策で は、安全基準などの項目を列挙して「原発政策のメカニズム・ルールを変える」と併記するにとどまっている。最終的な脱原発の時期などは明示しておらず、選 挙が終われば何とでも取り繕って原発存続を可能とするような物言いなのである。

 これでは、各方面から玉虫色との批判が集中している、民主党政権が9月に策定した『革新的エネルギー・環境戦略』の方が「方向性が明確であり、ま ともだ」と言われてもおかしくないだろう。たとえ努力目標であっても「2030年代」と脱原発の目標時期を明確にしているからだ。

(3)

橋下氏は戦略的な観点から譲歩した?


 さらに言えば、同じ第3極の中で「卒原発」を明確に打ち出した「日本未来の党」との集票競争への配慮から、耳触りのよい文言を盛り込んで見せたとの解釈も成り立つだろう。

 その半面、日頃からいたずらに勇ましい発言の目立つ石原慎太郎代表の個性が強く反映されたわけではないのだろうが、「自主憲法の制定」「(領土 の)実効支配力を強化する」「集団的自衛権の行使や領海統治などを定める国家安全保障基本法の整備」といった項目は、表現が具体的であり、大変歯切れがよ いのが特色だ。

 こうした状況について、元経済産業省のキャリア官僚で、筆者と同様に現代ビジネスの執筆陣に名前を連ねている「大阪府市統合本部」特別顧問の古賀茂明氏は、12月1日付のコラム『官々愕々 橋下氏に仕掛けられたワナ』 の中で、「弁護士である橋下氏は、これ(選挙公約で多用した霞が関文学的な文言のこと)に騙された訳ではなく、このからくりを十分認識した上で、ぎりぎり 言い訳できるラインだと考えて飲んだのだろう」と述べて、橋下氏は戦略的な観点から譲歩したに過ぎないと同氏を庇う姿勢をみせている。

 また、元財務官僚で、やはり本コラムの執筆陣の一人である高橋洋一嘉悦大学教授も従前と変わらず、ツイッターを利用して、遊説に走り回る橋下徹氏の金融政策を巡る主張の側面からの理論的支援に努めているようだ。

自民党復党を狙う旧「たちあがれ日本」出身議員


 しかし、それでも、旧小泉純一郎政権のサポート役だったグループを中心に、橋下政権の誕生を目指して大阪に結集していた政策スタッフたちがドン引き状態になっていることは否定できない趨勢のようだ。

 象徴的なのは、古賀氏と同じように大阪府市の特別顧問で、橋下氏のために原発ゼロ政策作りに奔走していた環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也氏の立ち居振る舞いだ。

 飯田氏は、早々に「維新の会」と一線を画して、嘉田由紀子滋賀県知事が党首として設立した「日本未来の党」の結党に参加し、同党の代表代行に就 任。これを受けて、同党は12月2日、飯田氏に公認を与え、今回の衆議院議員選挙に山口1区の候補として出馬させる方針を発表した。

(4)
 紙幅もないので、詳しくは紹介できないが、「日本維新の会」と比べれば、「卒原発」と「脱増税」を選挙公約の大きな柱に据えた「日本未来の党」の主張は単純明快でわかり易い。

 また、筆者の専門の経済分野に限ると、「日本維新の会」が「太陽の党」との合併を優先した結果、取り残されて独自路線を採らざるを得ない立場となった「みんなの党」の選挙公約『アジェンダ2012』は、主張の内容も実現へ向けた具体的な戦略も論理的で理解し易い内容だ。

 第3極の中での勢力の結集に拘る余り、緒戦でパートナー選びと路線選びの両方で失敗した形となった橋下「日本維新の会」は、果たして劣勢を覆せるのかどうか。予断を許さない状況である。




著者:町田 徹
『東電国有化の罠』
(ちくま新書、税込み798円)
重版決定!

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安倍総裁と野田首相の"口先公約"にご用心! 実現方法や立ちはだかる課題には触れない大胆発言の信憑性を問う!(現代ビジネス)

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町田徹「ニュースの深層
安倍総裁と野田首相の"口先公約"にご用心! 実現方法や立ちはだかる課題には触れない大胆発言の信憑性を問う!
 2012年11月27日(火) 町田 徹
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34162
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34162?page=2
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34162?page=3
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34162?page=4
▼全文引用

(1)
 自民党の安倍晋三総裁は、17日の「日銀による建設国債の買い入れ」発言がメディアで大きく扱われて以来、得意満面で演説のたびに「私が総裁になったら、円が下がり、株も上がった。給与も、雇用も伸びていく」と繰り返しているという。
 対する野田佳彦首相(民主党代表)は渋面を崩さず、「脱原発依存」と「TPP(環太平洋経済連携協定の推進)」を念仏のように繰り返している様子だ。
 だが、2人の発言には、共通点がある。その実現方法や、立ちはだかる壁をどう克服すべきかについて、ロクに言及していない点だ。口先だけで、事の 重大性を理解しないではないかと疑いたくなる皮相な物言いなのである。我々有権者は、前回の総選挙における民主党マニフェストの二の舞にならなかいか疑っ てみる必要がありそうだ。

自画自賛を得意げに行う安倍総裁

まず、話題をさらっている安倍氏の一連の発言を巡る新聞報道を概括してみよう。
 そもそも安倍氏は、10月半ばのインタビューで、日銀法改正を視野に入れた発言をしていた。
 同氏は今月17日の熊本市内での講演で、政権を奪還した場合、景気刺激策として公共投資を拡大し、その財源を調達するため「建設国債をできれば日銀に全部買ってもらう」と発言した。加えて「(そのことで)強制的にマネーが市場に出ていく」と補足したという。

(2)
 19日には、自民党本部で開いた会合で、「インフレターゲット(物価目標)をしっかり設定して、それまで日銀は無制限で金融緩和を行っていく」と強調した。
 さらに、自民党は21日、『政権公約』を公表し、「明確な『物価目標(2%)を設定、その達成に向け、日銀法の改正も視野に、政府・日銀の連携強 化の仕組みを作り、大胆な金融緩和を行う』」ほか、「財務省と日銀、さらに民間が参加する『官民協調外債ファンドを創設し、基金が外債を購入するなど様々 な方策を検討する』」との方針を打ち出した。
 そして、安倍総裁は22日、都内で開いた商工会全国大会で挨拶し、「われわれが政策を発表しただけで円は下がった。下がったことで一体、何人の雇用が守られたか。日銀には謙虚に考えてもらいたい」と発言したという。
 実は、筆者の取材でも、安倍総裁は、こうした趣旨の自画自賛を得意げに行っている。

「国債の直接引き受け」を連想させる発言

ここで注目せざるを得ないのが、17日の「建設国債を日銀にできれば全部買ってもらう」という発言だ。
野田首相の解散表明もあって、外為市場で円安、株式市場で株高が進んでいることから、安倍発言を好感する人は多いようだ。しかし、事はそんな単純な話ではない。
 というのは、この発言が、財政法が第5条で禁じている「政府からの国債の直接引き受け」を連想させるからである。
 財政法が第5条で、これを禁じているのは例えば、第1次世界大戦の終了の翌年にあたる1919年から5年の間に、戦時賠償金の支払いに喘いでいた ドイツで、当時の中央銀行ライヒスバンクによる政府短期証券の引き受けが引き金になって、物価が実に1000万倍に高騰するという悪性のハイパーインフ レーションが起きた事例があるからだ。
 さらに、国債の直接引き受けが政府の財政節度を失わせる恐れがあることも、財政法第5条の根拠とされている。
 ただし、「買いオペ」は例外である。というのは、金融政策の一環として、日銀の判断で、一旦は市中で消化された国債を買い入れることは、金融情勢に応じて必要とみなされているからだ。

(3)

公明党からも慎重論が出る事態

実際のところ、日銀は10月末に発表した「『資産買入等の基金運営基本要綱』の一部改正等について」の中で、買入総額と利付国債、国庫短期証券の 買入上限をそれぞれ、66兆円程度(それまでは55兆円程度)、39兆円程度(同34兆円程度)、19.5兆円程度(14.5兆円程度)と引き上げてい る。これらの観点からの買いオペは、主に円高、デフレ対策を念頭に置いたものである。
 さらに言えば、金融の専門家や市場関係者の大勢が、この種の買いオペ的な国債購入について、リーマンショック後の日米欧の動向を比べた場合に、日 本の買入額の増加ピッチが遅く、他の先進国の中央銀行に遅れをとっていた点を問題視していたのは事実だ。この結果、為替、デフレ対策に対しても熱心さを欠 くとみなされてきたのである。
 換言すれば、大幅な買い入れ枠の増加や、これまで購入対象でなかった外国債を購入することで、為替、デフレ対策を講じる必要があるとの見方も増えていた。
 そこで、安倍発言だ。安倍発言はこうした専門家の一致するところと明らかに一線を画するものだ。一足飛びに、「国債の直接引き受け」を想起させる 発言となっているからだ。外為・株式市場では、劇薬の短期的な効果をはやす声が出たものの、政敵の政府・民主党と標的にされた日銀が強く反発しただけでな く、自民党の盟友のはずの公明党からも慎重論が出る事態を招いてしまった。
 中でも、日銀の白川総裁の反発は辛辣で、あくまでも一般論としながらも、「国際通貨基金IMF)が発展途上国に助言する際に、やってはいけないことのリストの最上位だ」「(悪質なインフレに)歯止めが効かなくなる」などと述べた。

軌道修正を余儀なくされた安倍総裁

結局のところ、当の安倍総裁は22日、自民党の全国幹事長・政調会長会議で「いろいろ言われているが、日銀が『買いオペ』で市場から買っていく」 と語り、日銀に直接引き受けを求めていないと釈明したという。威勢の良い言葉と裏腹に、実際には軌道修正を余儀なくされていたわけだ。
 もっと言えば、普天間基地の移設を「最低でも県外」といった鳩山由紀夫元首相や、JALの再建を「白紙撤回」といい国有化を招いた前原誠司国土交通大臣ら、民主党政権の首脳陣と同じ、口先だけの思い付き発言と勘繰らざるを得ない。

(4)
 繰り返すが、筆者は現場におらず、報道で知るだけだが、17日の最初の発言の趣旨があやふやで、誤解を招くものだったと言わざるを得ない。
 金融の世界では、日銀の国債引き受けは「禁じ手」としてあまりにも有名だ。本人がきちんと理解したうえでの発言ならば、国債引き受けと買いオペを区別して誤解を招かないように発言すべきだった。
 「できれば、全部」という言い回しは、財政秩序の維持やインフレ抑制の観点から、原則として、買いオペの対象を国債の市中消化分のうちの金融機関保有分に限定している現行制度の形がい化を狙っているとみなされても仕方がない。それほど稚拙な発言だ。
 これでは、民主党からの再・政権交代を期待する者にとっても、安倍政権では、経済政策が覚束ないと不安にならざるを得ないだろう。
 もちろん、筆者は、安倍総裁の発言だけが問題だと言うつもりはない。
野田首相のTPPや脱原発依存に関する様々な発言も似たり寄ったりだ。紙幅がないので、ここでいちいち説明することはできないが、興味のある方は、TPPは『韓国の独壇場に待ったをかけられるか? 首脳会談でヤマ場を迎える「日欧EPA交渉」のゆくえ』(2012年4月10日付)、また脱原発では『「安全」と「国民負担」を棚上げにした野田首相の責任を問う!「原発ゼロ社会」を国民を欺く選挙向けのマニフェストにした「革新的エネルギー・環境戦略」の茶番』(2012年9月25日付)など本連載の過去の記事を再読いただきたい。
 世論調査の上では、与党と野党第1党になるとみられている自民党と民主党政権公約がこのような状態では、益々、国民は政治不信に陥りかねないのではないだろうか。

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2012年12月6日木曜日

「自分の1票を死に票にしない」ための3つのステップを紹介(NEWSポストセブン)

NEWSポストセブン
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「自分の1票を死に票にしない」ための3つのステップを紹介
2012.12.04 07:01
http://www.news-postseven.com/archives/20121204_158141.html

◇全文引用

 今回の総選挙では政党が乱立し、2~3割の得票率でも当選する可能性がある。逆に言えば7~8割もの「死に票」が出てしまうのだ。では「1票を死に票にしない」ためにはどうすべきか。そのための投票行動のポイントは、次の3つのステップに整理できる。
【STEP1】:「当選させたくない政党、候補者」を選ぶ
 投票の大前提として、政党別の政策を知る必要がある。もちろん公約は守られなければ意味がない。公約違反に裏切られた有権者にとって「実行力」を見極めることが重要なのはいうまでもない。
【STEP2】:投票する政党、候補者の「足切り」をする
 政党の足切りをして落としたい候補に勝てる「次善の候補」を選ぶには、選挙情勢を知らなければならない。その簡単な方法がある。新聞各紙が行なう情勢調 査だ。選挙情勢を特別の符牒、表現で報道するため、それを知ることで各候補がトップと何ポイント差かを読み解くことができる。
【STEP3】:政権の組み合わせを考えて政策実現(阻止)可能性を追求する
 この3ステップを踏むことで、有権者の1票の価値を上げることができる。
※週刊ポスト2012年12月14日号

NEWSポストセブン
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「長野の奇跡、政治でも」=金メダリスト、前議長に挑戦-北海道1区【12衆院選】(時事通信)

時事通信
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「長野の奇跡、政治でも」=金メダリスト、前議長に挑戦-北海道1区【12衆院選】
(2012/12/05-15:32)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012120500891

◇全文引用

 11月下旬、早朝の札幌市中心街。清水宏保は黒のジャージー姿で名刺を配っていた。「長野で見せた奇跡を必ず政治の世界で実現します!」。付き添うスタッフが声を張り上げる中、「清水です」と笑顔で通行人に手を差し出した。
  新党大地は前回衆院選で民主党と選挙協力したが、今回は調整が決裂。北海道1区のベテラン横路孝弘への対抗馬として、帯広市出身で男子スケート長野五輪金 メダリストの清水をぶつけた。大地を支援する歌手の松山千春は「相手は横路氏一本だ」と言い切り、38歳の清水へ「世代交代を」と訴える。
 握手 をせがまれる人気者から、握手を求める立場に。「涙が出そうになった。けさは(レギュラー出演していた)テレビに出ているはずだったのに」。支援者を集め た会合で、清水が弱音を漏らした。知名度は抜群だが、政治経験はゼロ。出馬表明が遅れ、準備不足は否めない。そんな清水を励ますように、大地代表の鈴木宗 男は「超短期の選挙戦だが、清水が得意なのはロケットスタート。一気に加速する」と勝利を誓った。

 迎え撃つ横路陣営の幹部は「過去にも有名人と戦った。特に意識はしていない」と強調。横路は批判の矛先を「日本を、取り戻す」をスローガンに掲げる自民党の総裁安倍晋三に向ける。「安倍さんは歴史を直視していない。彼が取り戻したいのは戦前の日本だ」
  当選10回、71歳。解散まで衆院議長を務めた長老も、民主党への冷たい視線を肌に感じている。とりわけ心配なのは、首相野田佳彦が交渉参加に意欲を示す 環太平洋連携協定(TPP)に、道民の多くが批判的なことだ。横路陣営は「道連はTPPに反対の立場だ」として、選挙戦では独自の主張を展開する構えだ が、自民党側は早くも「うそつきだ」と批判を強めている。
 「名前が通っていることではなく、政治家の質が問われる選挙だ。生まれ変わった自民党の象徴になれるよう頑張りたい」。同党の船橋利実は事務所開きで熱弁を振るった。陣営は今後、業界団体などに向け、道議時代の実績をアピールしていく方針だ。
▽北海道1区
 野呂田博之 54 党道委員  共 新
 大竹 智和 35 元放送局員 維 新
                推(み)
 船橋 利実 52 元道議   自 新
                推(公)
 清水 宏保 38 元五輪選手 大 新
                推(未)
 横路 孝弘 71 前衆院議長 民 前
                推(国)
(敬称略)(2012/12/05-15:32)
 
 時事通信

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大手新聞 世論調査は質問の仕方で結果を操作できると認める(NEWSポストセブン)

NEWSポストセブン
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大手新聞 世論調査は質問の仕方で結果を操作できると認める
2012.12.03 16:00
http://www.news-postseven.com/archives/20121203_158125.html

◇全文引用

 本誌はかねてから、新聞の世論調査は〈世論操作〉であると指摘してきたが、「世論調査のカラクリ」を大新聞自ら告白するという珍しい記事が出た。
 その前日(11月26日)、読売と朝日が総選挙投票先の世論調査を掲載したが、朝日が「【1】自民23%、【2】民主13%、【3】維新9%」であったのに対し、読売は「【1】自民25%、【2】維新14%、【3】民主10%」という結果になった。
 すると読売は27日付朝刊で、「世論調査結果 質問方法で差」というタイトルで、朝日との結果の違いが起きた理由について、「読売は質問時に14政党の名前を読み上げて選んでもらっているが、朝日は政党名を読み上げない」と説明した上でこう書いた。
〈このため、新たに結成された政党の名前は思いつきにくく、(中略、朝日調査は維新の)数値がやや低めになるようだ。世論調査の結果は、選択肢の読み上げの有無だけでなく、質問文の違いや全体の質問の構成・並び順などにも影響を受ける〉
 わかりにくい言い訳だが、要は「世論調査は質問の仕方で結果を操作できるから、アテになりません」と認めているのである。その結論を〈世論の変化 をつかむには、同じ報道機関の調査で推移を見ていくことが有効だ〉というに至っては笑うほかない。過去、“自前の世論調査”の結果を振りかざして政権や特 定の政治家を追及してきた反省を述べるべきだろう。
※週刊ポスト2012年12月14日号

 NEWSポストセブン
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「橋下氏は衆院選にこだわり着地点の目線低い」と大前研一氏(NEWSポストセブン)

NEWSポストセブン
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「橋下氏は衆院選にこだわり着地点の目線低い」と大前研一氏
2012.12.03 16:00
http://www.news-postseven.com/archives/20121203_156421.html

◇全文引用

 次期衆院選に向けて動きを加速させている「日本維新の会」の橋下徹氏。だが、「全国政党になるという考え方をいったん白紙に戻すべきだ」と指摘するのは、“橋下氏の場外応援団”を自任する大前研一氏である。
 * * *
 国政の行方を考える時にポイントになるのは「統治機構を変更できるかどうか」である。
 これは既得権益を破壊される中央官僚が絶対に嫌がることなので、血みどろの戦いになる。次期衆院選は今のままでは自民党が政権に返り咲く可能性が 高いが、これまでの言動から見て安倍総裁にこの戦いの旗振りは不可能に思える。古き良き日本の復活、すなわち、より強い戦前の政治体制への逆戻りが彼の今 までの言動だからだ。
 石破茂幹事長は中央集権維持派ではないと思うが、防衛と農林水産の「族議員」であり、小さな政府を掲げて霞が関全体で官僚の抵抗を打ち破る突破力 を持っているとは言えない。また、テレビ解説者のような役割が長かったせいか、「解説」するばかりで、「どういう国を作りたいのか」というビジョンは今ま でに打ち出していない。
 その意味では、たとえ道を誤って人気を落としたとはいえ、橋下氏は希有な政治家だ。
 統治機構を再構築するための「維新八策」を掲げ、勉強熱心で理解力も記憶力も行動力も図抜けている。毎日午前2時頃まで仕事を続けて午前6時頃か らメールを打ち始めるパワフルさも尋常ではない。この能力がなければ、頑強な官僚機構は打破できない。だからこそ、私は今も彼に期待している。
 しかし、今の橋下氏は目前の衆院選にこだわるあまり、着地点の目線が低くなったように思う。彼は親しい友人に「ゼロから始めてここまで来た。戦略 が間違っているとは思わない。このまま行けるところまで行く」という言い方をしているという。もしゼロになっても元に戻るだけ、ということかもしれない が、それでは困る。
 国民に期待を抱かせた以上は、それを実現する責任がリーダーには生じるのである。次期衆院選で維新が惨敗して崩壊したら、日本はまた10年以上、変革のチャンスを失うかもしれない。維新を徒花に終わらせないためには、橋下氏自身が変わらなければならないと思う。
 橋下氏の良さは「変わり身の早さ」である。ロボット掃除機『ルンバ』のように、障害物にぶつかると即座に向きを変えて違う方向に進む。彼自身も 「自分と維新の会の強みは、間違っていたらすぐに謝って方向を変えることだ」と言っている。ならば国政進出の戦略も、今すぐ転換すべきではないだろうか。
※SAPIO2012年12月号
NEWSポストセブン
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自分勝手! 橋下大阪市長に苦情殺到(日刊ゲンダイ)

日刊ゲンダイ
トップ >http://gendai.net/
自分勝手! 橋下大阪市長に苦情殺到
2012年11月30日
http://gendai.net/articles/view/syakai/139892

◇全文引用

公務そっちのけで選挙運動

<260万人市民をホッタラカシ>

「市政ほったらかしで何が維新や」――。衆院選に向けた遊説で全国行脚中の橋下徹・大阪市長(日本維新の会代表代行)に対し、市役所内から怒りの声が噴出している。

 橋下市長は、先週は愛媛、今週初めは福島で遊説し、テレビ中継にも度々登場していた。東京都知事選が告示された29日も上京、猪瀬直樹・前副知事の応援 演説に駆け付け、街宣車から「猪瀬さんを圧勝させて」と声を張り上げた。観衆から「ハシモト~」なんて声を掛けられ、本人はご満悦の表情だったが、対照的 にカンカンになっているのが大阪市の職員だ。

 職員のひとりがこう打ち明ける。
「橋下さんは本来なら12月14日まで開会予定だった市議会を急きょ、11月20日で閉会してしまった。衆院選に合わせて選挙運動するためです。年末から 新年度にかけては予算編成にかかわる重要な時期。それなのにトップがフラフラしているのだから呆れます。仮に大災害が起きたら、どうやって陣頭指揮を執る つもりなのか。10万や20万人規模の自治体じゃない。260万人の市民が生きているのです。それをホッタラカシですよ。市職員には職場の喫煙を禁止した り、分限免職を迫ったりするクセに自分に対しては大甘です」

 市のホームページで市長日程を見ると、市議会閉会後の23日からは6日連続で「公務日程なし」。これで月額80万円余りの給料をもらえるのだから、カネにシビアな大阪市民から苦情が出るのもムリはない。

「『市長に公務をさせろ』といった趣旨の声が、16日の衆院解散以降、60件ほど寄せられています。(市長には)秘書担当を通じて報告していますが……」(市広聴担当)

 橋下市長を「牛若丸」と持ち上げた自称「弁慶」の石原慎太郎・前都知事も、庁舎にほとんど姿を見せず、13年半で手にしたカネはざっと5億円に上る。つまり、税金ボッタクリコンビ、どうりでウマが合うわけだ。 
日刊ゲンダイ
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2012年12月5日水曜日

「脱原発」7党 衆院選公示第一声 自民、維新は容認鮮明(東京新聞 TOKYO WEB)

東京新聞 TOKYO WEB
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「脱原発」7党 衆院選公示第一声 自民、維新は容認鮮明
2012年12月5日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012120502000120.html

◇全文引用

 画像URL
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/images/PK2012120502100027_size0.jpg


写真
 東日本大震災後、初の大型国政選挙となる第四十六回衆院選は四日公示され、十六日の投開票へ十二日間の選挙戦が幕を開けた。大争点は、東京電力福 島第一原発事故を踏まえた原発・エネルギー政策。十二党の党首らの公示第一声では、七人が「脱原発」を掲げ、二人が容認姿勢を鮮明にした。
 脱原発を訴えたのは民主、日本未来、共産、みんな、社民、新党大地、新党日本の各党。ただ、力の入れ方には温度差もあった。
 民主党の野田佳彦首相(党代表)は、二〇三〇年代に原発稼働ゼロを目指す考えを強調。「脱原発か続原発か。時代を逆戻りさせない」と声を張り上げたが、取り上げ方は他の政策と横並びで、政権として判断した関西電力大飯(おおい)原発の再稼働にも触れなかった。
 これに対し、脱原発の本家を自負する党は、競うように聴衆に訴えかけた。
 日本未来の党の嘉田(かだ)由紀子代表は「日本から原発をなくす。日本の大地、子どもたちの未来に安心を埋め込みたい」と力説。再生可能エネルギーを普及させる必要性も説いた。
 共産党の志位和夫委員長は、すぐに全原発の廃炉プロセスに入るとする公約「即時ゼロ」は可能だと指摘。即時稼働ゼロを打ち出した社民党の福島瑞穂 党首も、脱原発基本法を成立させて二〇年までに全原発の廃炉手続きを終えると提案した。みんなの党の渡辺喜美代表は、電力市場自由化などで経済成長と二〇 年代稼働ゼロは両立すると唱えた。
 一方、原発容認派は自民党の安倍晋三総裁と日本維新の会の石原慎太郎代表の二人。
 安倍氏は、自民党が安全神話の中で原子力政策を進めてきたことを陳謝。脱原発依存の必要性は認めた。しかし、三年以内に各原発の安全性を検証した上で「大丈夫だと判断したものは再稼働していく」と明言した。
 石原氏はゼロにすれば、電気料金が上がって日本経済が大打撃を受けると主張した。
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官邸前デモ参加者 意志託せる人を(東京新聞 TOKYO WEB)

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官邸前デモ参加者 意志託せる人を
2012年12月5日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012120502000098.html

◇全文引用

◆意識変わってきた

 「争点は原発。ここで原発をやめないと何も始まらない」。東京都世田谷区のグラフィックデザイナー小辻雅史さん(36)は四日、雑誌の締め切りに 追われ、朝まで自宅で仕事だった。原発をやめるのか、それとも続けるのか。「じっくり政党の政策を見極めたい」。その時が来た。
 二十代前半は政治に関心がなく、選挙にも行かなかった。だが仕事を始め、二十代後半になり、自分たちの世代で社会を変えないとだめだと思い、政治 を勉強するようになった。「無関心でいるのが一番良くない。東日本大震災もあり、政治に向き合うことは避けられないと思っている」
 六月から、毎週金曜の国会前の脱原発抗議活動に恋人と二人で参加している。「未来を担う子どもたちに責任を押しつけるわけにはいかない」と、二人で話し合うことも多い。
 普段はバカな話で盛り上がるミュージシャン仲間との間でもデモが話題になる。「面と向かっては照れくさいのでツイッターで考えを伝え合うことが多いですけど、みんな意識は変わってきている」
 投開票前日には日比谷公園(東京都千代田区)で脱原発デモがある。「政治家に目を向けさせ続けるためにもデモに参加する。そして必ず投票します」
どのように公示日を迎えたか話す尾下奈穂子さん=4日、東京都新宿区で
写真

◆公約より行動見る

 四日の朝、パソコンを開くと、脱原発を掲げる政党や候補者の情報がメールで届いていた。「一つでも議席を増やしたいと思いました」と東京都西東京市の元幼稚園教諭尾下奈穂子さん(38)は力を込める。
 かつては「原発は事故が起きなければ怖くない」と思っていた。3・11を境に住民避難も廃棄物の処理の問題も未解決と知った。当時勤めていた会社 を辞め、ボランティアで被災地へ。カキを養殖するおじいさんが「放射能が怖い」と話すのを聞き、経済産業省を取り囲む輪に加わった。
 今春から官邸前に通う。デモの経験はなかったが、参加するたびに力強い気持ちになる。「自分だけでなく、子や孫、次世代にきれいな古里を残そうとしている。人の温かさを感じた」。七日も官邸前に行くつもりだ。
 三年前の衆院選では、マニフェストをノートに張って見比べた。今回は各党の公約に「○○年に原発ゼロ」の文字が並ぶ。みんなうそと感じる。「口だけで『脱原発』と言っても、信用できない。何をしてきたかを見ています」
 国会で良いことを言っていた議員が落ちないようにする。その揚げ足を取っていた人も忘れない。原発即時ゼロの実現へ。「具体的に動いている人を当選させたい」


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避難した福島県民 共に歩む決意は(東京新聞 TOKYO WEB)

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避難した福島県民 共に歩む決意は
2012年12月5日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012120502000092.html

◇全文引◇全文引用用

 3・11は多くの人の人生を変えた。被災地の人たちだけでなく、首都圏に住む私たちの、政治や社会に対する意識も変わった。大震災と東京電力の福 島第一原発事故の後、過ごしてきた濃密な時間で紡いできたものを、衆院選で一票という形で投じるときがきた。福島の人たちと、脱原発の首相官邸前デモに参 加した人たちに公示日の四日、思いを聞いた。 
野田首相の演説を聞く松本公一さん=4日、福島県いわき市で
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◆田んぼ再生 後押しを

 「福島の再生なくして日本の再生なし。全力を尽くしていく」。四日朝、福島県いわき市のJRいわき駅前。傘をさし、野田佳彦首相の第一声を聞く人 の中に、同県楢葉町出身の松本公一さん(58)の姿があった。「野田さんの言うとおり。現実としてしっかりやってもらいたい」と見据えた。
 代々受け継ぐ六千平方メートルの水田は、ハクチョウ飛来地で知られる楢葉町のため池から約一キロにある。松本さんは小さな工務店を営みながら稲を 作ってきた。二〇〇六年から減農薬栽培に挑戦。「三俵(百八十キログラム)しかとれず大失敗した」三年目の冬、ハクチョウの群れが松本さんの田んぼに舞い 降りた。
 「手伝ってくれよ」。くず米やパンの耳をまき、次第に松本さんが近寄っても逃げなくなった。ハクチョウたちが歩くおかげで土が軟らかくなり、ふん は肥料に。倍以上取れるようになった米は評判の味になった。「白鳥舞」の商標登録を考えていた時、十キロ先で原発事故が起きた。
 田んぼは草で覆われ、ハクチョウはもう降りることができない。避難先のいわき市内の四畳半の仮設住宅で新米を買って食べたが「おととしの自分の古古米の方がうまいなあと思う」とやりきれない表情で話す。
 「多くの人が古里を追い出され、元の生活に戻れていない今、なぜ選挙なのか」。疑問が先に立つ。権力争いばかりの政治家には、被災者が見えていないのだと思う。
 いつか田んぼを元に戻し、ハクチョウに恩返しする。思いは捨てていない。鉢やバケツを並べて新しい栽培方法を試し、えさ用のくず米も確保してある。「私はぼやかない。一つずつ階段を上っている私たちを後押ししてくれる人を選びたい」
避難先のアパートで娘たちや夫と笑いあう守谷尚子さん=4日、福島県郡山市で
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◆子どもの将来考えて

 福島第一原発から十九キロの福島県富岡町の自宅から、郡山市のアパートに避難している主婦守谷尚子さん(35)は四日午後、幼い長女と二女と、いわき市の単身赴任先から帰宅中の夫(38)と、家族の時間を楽しんでいた。
 アパートの窓ガラス越しに、衆院選候補者の事務所が見える。支持者を前に応援弁士が「お願いします」を連呼していた。にぎやかさに「選挙が始まったんだな」と実感したが、距離感も感じた。
 夫婦ともに富岡町出身。それぞれの両親もきょうだいもほとんど町内に住んでいた。子の誕生日などの節目には、大家族のように両家から三十人近くが集まるほど、付き合いは良好だった。
 今は親類は新潟県や東京都など各地に避難し、離ればなれだ。長男も茨城県内の高校に通っている。せめて母親の近くにいたいと考え、昨年四月に母の避難先がある郡山市に移った。「親類同士の絆が失われたことが一番大きい」と思う。
 郡山市は放射線量が比較的高いため、今も二人の娘を外で遊ばせないようにしている。震災前は、自然豊かな故郷で伸び伸び育った長女たちを狭い室内にとどめておくしかない。現状に「遠くに避難する選択肢もあったのでは」と自問することもある。
 「福島には、普通だったことが普通にできない人がたくさんいる。政治家は、このことをいつまでも忘れないようにしてほしい」
 原発事故後初めての衆院選。今までも投票は欠かさなかったが、今回の選挙は、いつも以上に慎重に一票を投じようと思う。「子どもの将来を考えてくれる人は誰なのか、ちゃんと見極めたい」。室内で遊ぶ子どもらを見つめながら話した。

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維新公約、最低賃金廃止を撤回 「改革」に変更(東京新聞 TOKYO WEB)

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維新公約、最低賃金廃止を撤回 「改革」に変更
2012年12月4日 20時57分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012120401001926.html
◇全文引用


 日本維新の会が、衆院選公約に掲げた「最低賃金制の廃止」を撤回し「市場メカニズムを重視した最低賃金制度への改革」との文言に変更していたこと が4日分かった。民主、公明など他党からの「格差拡大の政策」(野田佳彦首相)との批判をかわすためとみられる。日本維新の会はこの変更に関し、正式な広 報や公的な説明の機会は設けていない。
 日本維新の会政調会長の浅田均大阪府議会議長は4日、記者団の質問に答え「見直しではない。誤解がないよう表現を変えただけ」と強調。現在の最低賃金制度については「高止まりしており、なんとかしないといけない」と抜本的改革が必要との認識をあらためて示した。
(共同)

1票の格差2・4倍超、3日現在 有権者1億436万人(東京新聞 TOKYO WEB)

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1票の格差2・4倍超、3日現在 有権者1億436万人
2012年12月4日 19時43分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012120401002037.html

◇全文引用

 総務省は4日、衆院選公示に合わせて3日現在の選挙人名簿登録者数(有権者数)を発表した。全国300小選挙区の「1票の格差」は最大2・428 倍に拡大し、2倍を超えたのは72選挙区だった。有権者数は1億436万193人で、前回2009年衆院選より1万6016人増加した。
 最大の格差は、有権者が最多の千葉4区(49万7601人、船橋市)と、最少の高知3区(20万4930人、四万十市など)との間で生じた。09年衆院選をめぐり、最高裁は最大2・305倍の格差を「違憲状態」としている。
(共同)

町田徹「ニュースの深層」 改革派政策スタッフもドン引き!? 石原新党との合併で自民党出身高齢議員に実権を握られた「日本維新の会」の実情(現代ビジネス)

現代ビジネス
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町田徹「ニュースの深層」
改革派政策スタッフもドン引き!? 石原新党との合併で自民党出身高齢議員に

実権を握られた「日本維新の会」の実情
2012年12月04日(火) 町田 徹
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34219

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34219?page=2
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34219?page=3
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34219?page=4
◇全文引用


(1)
 関西を中心に政治改革の新たな旗手との期待を集めてきた「日本維新の会」が総選挙を控えて、大きく揺れている。
 関係者に取材したところ、石原新党こと「太陽の党」との合併に伴い、飲み込んだはずの自民党出身の古いタイプの政治家たちに党運営の実権を奪われてしまい、きら星のごとく結集していた改革派の政策スタッフたちがドン引き状態に陥ったのだ。
 もちろん、合併まで日本維新の会をトップとして率いてきた橋下徹氏の立場から、12月16日に迫った総選挙の投票を睨んで、まずは第3極の勢力を 結集し、少しでも多くの議席を獲得することで国政のキャスティングボードを握る狙いがあったと好意的に合併戦略を解説する向きもある。今後、新生「日本維 新の会」がなし崩し的に改革離れに走ることはないのか、われわれ有権者は選挙戦をしっかりウォッチする必要がありそうだ。

実権を握る旧「たちあがれ日本」所属議員

 「日本維新の会」は11月29日にニコニコ動画で選挙公約を発表した。その中継をインターネット放送で見て私は驚いた。
 石原代表、橋下代表代行と並んで、司会者として同党の東京本部本部長に就任したという藤井孝男参議院議員や、同じく参議院議員の片山虎之助元総務大臣がひな壇にならんでいたからだ。

(2)
 件の政治家たちは、小泉純一郎政権の規制・郵政改革路線に反対したり、以前の選挙で高齢を理由に自民党からの公認を獲得できずに同党を離れた過去を持っている。
 そして、同じ日、筆者の取材に応じた「維新の会」関係者の話は、そうした直感を裏付けるものだった。
 この関係者は開口一番、もはや「今回の選挙には、全く関心がない」という。その原因として、片山、藤井両氏のほか、園田博之衆議院議員ら旧「たち あがれ日本」所属の国会議員の名前を挙げ、彼らが実権を握ったことで「日本維新の会」の理念が大きく揺らぎ、政治改革を目指す同党らしさが急速に失われつ つある、と明かしたのだった。

最終的な脱原発の時期などは明示せず

実際のところ、冒頭で触れた11月29日公表の「日本維新の会」の選挙公約『骨太2013-2016 日本を賢く強くする」は、これらの話を裏付ける格好になっている。
 内容を見ると、「脱原発依存体制の構築」といった文言が復活するなど、旧「太陽の党」との合流時の政策合意に比べれば、改革への熱意を取り戻した かのような印象がないわけではない。しかし、それでも、「日本維新の会」が11月半ばに、「みんなの党」との間でまとめていた政策合意と比べると、大幅な 後退感が拭えない。
 例えば、「みんなの党」との政策合意における規制改革の目玉のひとつだった農業改革は、「農業の成長産業化」という農家の反発を抑える表現に置き換わった。さらに、「みんなの党」との合意では、「参加」だった「TPP」が、今回は「交渉参加」に大きくトーンダウンした。
 国民の最大の関心事である脱原発でも、「基本方針」として「先進国をリードする脱原発依存体制の構築」というひと言こそ復活したものの、具体策で は、安全基準などの項目を列挙して「原発政策のメカニズム・ルールを変える」と併記するにとどまっている。最終的な脱原発の時期などは明示しておらず、選 挙が終われば何とでも取り繕って原発存続を可能とするような物言いなのである。
 これでは、各方面から玉虫色との批判が集中している、民主党政権が9月に策定した『革新的エネルギー・環境戦略』の方が「方向性が明確であり、ま ともだ」と言われてもおかしくないだろう。たとえ努力目標であっても「2030年代」と脱原発の目標時期を明確にしているからだ。

(3)

橋下氏は戦略的な観点から譲歩した?

さらに言えば、同じ第3極の中で「卒原発」を明確に打ち出した「日本未来の党」との集票競争への配慮から、耳触りのよい文言を盛り込んで見せたとの解釈も成り立つだろう。
 その半面、日頃からいたずらに勇ましい発言の目立つ石原慎太郎代表の個性が強く反映されたわけではないのだろうが、「自主憲法の制定」「(領土 の)実効支配力を強化する」「集団的自衛権の行使や領海統治などを定める国家安全保障基本法の整備」といった項目は、表現が具体的であり、大変歯切れがよ いのが特色だ。
 こうした状況について、元経済産業省のキャリア官僚で、筆者と同様に現代ビジネスの執筆陣に名前を連ねている「大阪府市統合本部」特別顧問の古賀茂明氏は、12月1日付のコラム『官々愕々 橋下氏に仕掛けられたワナ』 の中で、「弁護士である橋下氏は、これ(選挙公約で多用した霞が関文学的な文言のこと)に騙された訳ではなく、このからくりを十分認識した上で、ぎりぎり 言い訳できるラインだと考えて飲んだのだろう」と述べて、橋下氏は戦略的な観点から譲歩したに過ぎないと同氏を庇う姿勢をみせている。
 また、元財務官僚で、やはり本コラムの執筆陣の一人である高橋洋一嘉悦大学教授も従前と変わらず、ツイッターを利用して、遊説に走り回る橋下徹氏の金融政策を巡る主張の側面からの理論的支援に努めているようだ。

自民党復党を狙う旧「たちあがれ日本」出身議員

しかし、それでも、旧小泉純一郎政権のサポート役だったグループを中心に、橋下政権の誕生を目指して大阪に結集していた政策スタッフたちがドン引き状態になっていることは否定できない趨勢のようだ。
 象徴的なのは、古賀氏と同じように大阪府市の特別顧問で、橋下氏のために原発ゼロ政策作りに奔走していた環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也氏の立ち居振る舞いだ。
 飯田氏は、早々に「維新の会」と一線を画して、嘉田由紀子滋賀県知事が党首として設立した「日本未来の党」の結党に参加し、同党の代表代行に就 任。これを受けて、同党は12月2日、飯田氏に公認を与え、今回の衆議院議員選挙に山口1区の候補として出馬させる方針を発表した。

(4)
 紙幅もないので、詳しくは紹介できないが、「日本維新の会」と比べれば、「卒原発」と「脱増税」を選挙公約の大きな柱に据えた「日本未来の党」の主張は単純明快でわかり易い。
 また、筆者の専門の経済分野に限ると、「日本維新の会」が「太陽の党」との合併を優先した結果、取り残されて独自路線を採らざるを得ない立場となった「みんなの党」の選挙公約『アジェンダ2012』は、主張の内容も実現へ向けた具体的な戦略も論理的で理解し易い内容だ。
 第3極の中での勢力の結集に拘る余り、緒戦でパートナー選びと路線選びの両方で失敗した形となった橋下「日本維新の会」は、果たして劣勢を覆せるのかどうか。予断を許さない状況である。

著者:町田 徹
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高橋洋一「ニュースの深層」 東電の法的整理、電力自由化、そして原発ゼロの現実性ーー各党の原発政策を徹底比較する(現代ビジネス)

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高橋洋一「ニュースの深層」
東電の法的整理、電力自由化、そして原発ゼロの現実性ーー各党の原発政策を徹底比較する
2012年12月03日(月) 高橋 洋
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34216

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34216?page=2
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34216?page=3
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34216?page=4
◇全文引用

(1)
 先週、第三極の一部が「日本未来の党」に合流した。これで、第三極は、日本維新の会、みんなの党、日本未来の党にほぼ集約された。維新とみんなは 保守系、未来は革新系といえる。日本維新の会とみんなの党は、政策は似かよっているが、石原慎太郎氏は別として旧たちあがれの政治家の政治手法に違和感が あったのだろう。みんなはいい意味でぶれなかったといえる。
 民主党、自民党などの既存政党のほか、これで第三極もでそろった。今回の総選挙の争点は多いが、本コラムでは原発政策に絞って各党比較をしてみよう。
 政権党の民主は、「2030年代に原発稼働ゼロ。固定価格買取制度を生かし、再生可能エネルギーの飛躍的普及。発送電分離を検討し、発電分野、小売分野などの自由化」。
 政権に返り咲く意欲がある自民は、「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立。全原発再稼働を規制委員会で3年以内に結論。10年以内に電源構成のベストミックスを確立」
 みんなは、「2020年までに発送電分離など電力自由化、2020年代にゼロ、経済成長を両立」
 維新は、「脱原発依存体制の構築。原発政策のメカニズム・ルールを変える。安全基準などルール構築が必要」とし、「2030年代までにフェードアウト」は公約でないとしている。
 未来は、「卒原発。10年以内に原発完全廃炉。既存原発の稼働停止・廃炉計画策定、新増設を禁止。3年間の経過措置として発送電分離を含む電力システム改革を実施。値上げ抑制のための交付国債」
 まず、原発ゼロについて年限に言及しているのは、未来、みんな、民主。それぞれおおざっぱに言えば10年、20年、30年後だ。自民、維新は言及 していないが、自民は電力自由化に触れていないので、そもそも原発ゼロを目指しているとはいえないようだ。維新は、電力自由化を前提としており、公約でな い政策集では自ずと30年後までには原発ゼロになるとしている。
 次に、より重要なことであるが、原発を含めエネルギー政策全般をどのように扱うかについて、手法が明記されているか。民主は一応発送電分離、電力自由化に言及している。自民は再稼働を規制委員会で決めるとしているが、発送電分離、電力自由化には言及していない。
 みんなは、2020年までに発送電分離など電力自由化と、ここでも年限を区切り電力自由化としている。維新も発送電分離、電力自由化としている。 ここは要注意点だ。石原氏と橋下氏の発言だけにマスコミは注目しているが、実はどのような策を用意するかで原発ゼロは決まってくる。筆者は橋下氏が巧妙に 仕掛けをしているとみている。ただし、明記されていないので、どのように実行できるかは不透明さが残る。未来は発送電分離、電力自由化としているが、その 年限を3年以内としている。

(2)
各党の原発政策の比較図URL
http://gendai.ismedia.jp/mwimgs/a/a/600/img_aad38c6b9b9b1b95dc043da1a3c7b135146770.jpg

 民主は、表面的には良いことを行っているようにみえるが、政権党であるのに、今でもできることをやっていないのは、言行不一致である。 例えば、東電の破たん処理。みんな、維新、未来はいっている。
 東電を法的整理すれば、その過程で発送電分離などの電力自由化もできる。逆に法的整理をしないと電力自由化はまずできない。今後も引き続き東電の地域独占を許し、発電の新規参入はまず期待できず、実は発電コストの高い(後述)原発のフェードアウトはできない。
 また、電力会社が地域独占である限り、その電力料金は国民にとって避けられないものであり、その意味では税金と同じである。だから、まず東電を法 的整理で解体し、関東において電力自由化をしない以上、「独占的な電力料金」か、「税金負担」か、という選択肢しか国民には与えられず、どちらにせよ国民 負担になって、脱原発はなかなかできず、料金値上げだけが国民に降ってくる。
 一般の資本市場のルール通りに法的整理しておけば、東電の債権者や株主が相応の負担をするので、国民負担は5兆円程度軽くなる。と同時に、送電部門などの売却が行われるので、発送電に分離も可能になって、発電の新規参入が発生し、電力料金値上げもストップできる。

(3)
 この東電の法的整理を阻むモノは、昨年夏に、民主、自民、公明の密室談合で成立した原子力損害賠償支援機構法だ。この法律は表向き、福島原発の損害賠償であるが、その他に東電を法的整理させないための公的資金投入などの「筋悪な」措置が盛り込まれている。
 被災者への損害賠償を別組織で行えば十分で、東電は法的整理しても、電力業務への支障もなく、賠償も可能で、しかも国民負担は少なくなる。それに もかかわらず、民自公は電力業界に天下りなどで便宜を受けてきた経産官僚のいいなりでこの悪法(東電救済法)をこっそりと成立させた。
 政権党の民主が、こうした東電救済法を作っておきながら、今さら発送電分離をいうのは、開いた口がふさがらない。この意味で、民主と自民は同じ穴の狢(むじな)である。
 みんな、維新、未来は、東電の法的整理を訴え、発送電分離、電力自由化をいい、その結果原発ゼロというロジックの流れはいい。原発ゼロがまともなスケジュールでありさえすれば、後は政治的なメッセージをどのようにいうかという程度問題だ。
 その上で、気になるのは発送電分離、電力自由化の実現プロセスとスケジュールだ。電力自由化は、これまでの経緯のある話だ。筆者の知る限り、電力 自由化が盛り上がったのは2000年ごろだ。発送電分離は1990年代以降の電力自由化の流れの中で米国やEUでも進められており、一定の効果が出てい る。制度設計の不備で狙い通りの効果に達していない地域もあるが、北欧などでは高い実績を残していたからだ。
 ところが、日本の電力自由化ははっきり言って失敗だった。独禁法で地域独占の規定が形式的に削除されたが、ご存じのとおり地域独占は今でも事実上続いている。発電の新規参入は微々たる状況だ。
 それを乗り越えて、電力自由化をやり直さなければいけないのだから、未来のように3年で電力自由化が終了するとの見通しは甘い。
 実際には、原発を含む発電コストがどのように推移するかがポイントになる。
 まず東電を法的整理して、関東で発送電分離をするのはいい。そのほかの電力会社ではこの手法が使えず、発送電分離を行政的に誘導して、発電コスト を公開しつつ、原発から他の発電手段への移行を図らなければいけない。ここで、他の発電として再生可能エネルギーだけに固執していると経済成長との調和が 図れない。

(4)
9月10日付け本コラムで、 政府のコスト検証委員会で示した原発の発電コストは過小になっていて、補正すれば20円弱(円/kWh)になると書いた。事故リスク対応費用と核燃料処分 コストなどをさらに精緻に再計算しても、似たり寄ったりだ。注意すべきは、安全規制をどうするかとは別の話ということだ。国際基準の安全規制にすれば、そ れだけ原発コストが高くなるだけだ。
 2020年時点における他の発電方式のコストと比較すると、太陽光などを除き原発は明らかに高い。つまり、原発の新設は、2020年時点で、 LNGの新設などのコストを上回り、市場原理(発送電分離)の下で電力会社が合理的な決定さえすれば、原子力は自ずと価格競争力がなくなり、次第にフェー ドアウトしていく。
 単純な比較はできないが、米国エネルギー省資料でも同じような傾向になっている。このため、あえて原発を続けようとすれば、政府からの特別な支援が必要になっている。
以上、電力自由化10年、原発フェードアウトに10年というのが、市場原理を使った脱原発のギリギリの線だろう。
 産業の形態を変える自由化措置には、長い期間がかかるものだ。基幹産業の電力であればなおさらだ。未来は、経過期間を3年としてその間に電力自由 化を行うとしているが、混乱回避に財政措置をするなど、市場原理以外のものをフル活用するのだろう。それは一案であるが、そうであればどの程度の財政負担 になるかを示さなければいけない。もし国民負担なしでできるというのであれば、それは財政支援する根拠がなくなってしまう。
 みんな、維新、未来ともに最終形では、コスト、安定供給ともに国民を満足させる脱原発路線であると思うが、それに至る過程で、財政負担で国民負担が発生してまでも行うのか(未来)、市場原理で国民負担を最小にして行うか(みんな、維新)の差がある。
現代ビジネス
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2012年12月4日火曜日

【社説】2012年12月3日 女性の国政進出 未来のため増やしたい{中日新聞 CHUNICHI WEB}

中日新聞 CHUNICHI WEB
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【社説】2012年12月3日
女性の国政進出 未来のため増やしたい
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2012120302000091.html

◇全文引用

 四日公示の総選挙で女性議員を増やせるだろうか。国政は原発事故の対応をはじめ、この国の未来を左右する問題が山積みだ。多様な民意を反映させなければならない。女性の力が必要だ。
 二十九日に告示された都知事選には九人が立候補したが、女性は一人もいない。女性の視点があまりにも示されなかったことに落胆した有権者は少なくないだろう。
 男女共同参画社会だと言われながら、今なお政治の場で女性は少数派だ。戦後改革で女性に参政権が認められて以来、国会議員は大量当選した時期も あったが、解散前の割合で11%。地方議会では比較的多い市議会でもその割合は全体で15%ほどにすぎない。国や身近な街の問題を話し合い、将来像を決め る場に、有権者の半数を占める女性の経験や感性が生かされないのでは、議論の幅や厚みを失わせてしまう。
 議員としてでなくても、地域の問題に取り組んでいる女性は大勢いる。福島第一原発事故後は放射能の被害から子どもを守ろうと、地元の行政や議会に働きかけ、放射能を自主的に測ったりして、懸命に行動する人が目立っている。
 女性の国政進出が伸び悩んだ原因には、男女の性によって役割が決められがちで、政治も他の公的分野と同様に、女性が頼りにされないような風潮もあっただろう。だが、最たる原因は各政党に女性議員を増やそうとする努力が足りなかったことだ。
 世界では男女差をなくすために「クオータ(人数割り当て)制」を導入し、議員や候補者の一定割合を女性にするように決めた国が多い。政党法や選挙 法の改正によって、比例代表の女性比率を一定以上にしたり、名簿に載せる候補者の半数を女性にしたり、奇数順位を女性にしたりする。韓国では二〇〇五年に 女性議員の比率が一割を超え、今では15%近い。北欧やドイツなどは女性の国会議員が三割を超えている。
 一九八九年の参院選で当選し、その後、千葉県知事を務めた堂本暁子さんは、「国の意思決定の場に女性が存在することの意味、予算と権限を持つことの意味」を実感したという。
 震災や原発事故をきっかけに暮らしや命に寄り添った政治に変えようといううねりが始まった。社会保障も、経済対策も、安全保障も、教育も、どの分野でもその解決に女性の視点はなくてはならない。女性議員をもっと増やすよう、各党は競い合ってほしい。
中日新聞 CHUNICHI WEB

【社説】2012年12月3日 温暖化対策会議 脱原発と両立できる{中日新聞 CHUNICHI WEB}

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【社説】2012年12月3日
温暖化対策会議 脱原発と両立できる
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2012120302000090.html

◇全文引用

 脱原発は省エネとともに進む。ドーハの気候変動枠組み条約第十八回締約国会議(COP18)は、ポスト京都議定書への橋渡しをする重要な会議だ。フクシマを経た日本こそ、存在感を示すべきだ。
 重要な節目の会議である。
 温室効果ガスを削減するための唯一の国際ルール、先進国にまず削減義務を課した京都議定書は、この年末で約束の期限が切れる。ところが、それに続くルールは、途上国と先進国の利害がかみ合わず、いまだに決まっていない。だが、少しずつ前へは進んでいる。
 一昨年のメキシコ・カンクン会議(COP16)では、気温上昇を国際社会全体で、産業革命前と比べて二度以内に抑えるという南北共通の長期目標を確認できた。
 昨年の南アフリカ・ダーバン会議(COP17)では、京都議定書の延長を決めた。ただし、単純延長ではなく、参加各国が自主的な削減目標を提出 し、それを達成する義務を負う。南北すべての国が削減に参加する新たなルールは、二〇一五年までに採択し、二〇年の発効を目指すことにした。
 どの国もルールの空白期間は望んでいない。ドーハ会議は、先進国の削減目標に合意して、第二約束期間の船出を図る場所である。
 ところが日本は、中国などの参加なしには温暖化防止の実効性がないとして、第二約束期間の削減義務受け入れを拒否している。
 昨年世界の二酸化炭素(CO2)排出量は、過去最高を記録したという。京都議定書を離脱した米国でも、十月末に東部で猛威を振るったハリケーンな どの異常気象を体験し、気候変動への危機感を強めている。近い将来、南北を問わず高い削減義務を受け入れなければならない時が来る。
 原発停止による化石燃料消費の増加が、高い削減義務を掲げられない理由にされている。しかし、原発停止は、企業や家庭に省エネを定着させた。省エネすなわち、温暖化対策ではないか。
 オフィスビルや事業所に独自のCO2削減義務を課す東京都では、3・11以降、削減率が大幅にアップした。中には全体で四割減らしたビルもある。
 九〇年比25%減という国際公約の看板を、やすやすと下ろすべきではない。脱原発と温暖化対策を両立させ、低炭素社会へ向かう自治体レベルの取り組みをアピールしつつ、政府には、ポスト京都の交渉をリードするきっかけを、ドーハでつかんでもらいたい。
中日新聞 CHUNICHI WEB

【社説】2012年12月2日 週のはじめに考える 「日銀引き受け」論争の真実{中日新聞 CHUNICHI WEB}

中日新聞 CHUNICHI WEB
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【社説】2012年12月2日
週のはじめに考える 「日銀引き受け」論争の真実
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2012120202000081.html

◇全文引用

 金融政策のあり方が衆院選の焦点に浮上しています。それはメディアの「誤報」が発端でした。政権を選ぶ選挙で、あってはならない事態です。
 金融政策に大きな注目が集まったのは、自民党の安倍晋三総裁が先月十七日、熊本市内の講演で語った次の発言がきっかけでした。「建設国債をできれば日銀に全部買ってもらうという買いオペをしてもらうことによって、新しいマネーが強制的に市場に出ていく」
 この発言について、多くのメディアは「買いオペ」の部分を省いて「安倍総裁が建設国債の全額日銀引き受けを検討する考えを示した」といった調子で報じました。

買いオペは普通の手段

 一見、どこがどう違うのかと思われるかもしれません。ところが、実は大違いなのです。
 買いオペとは、政府が発行した国債を日銀が金融市場で買う操作をいいます。日銀にとっては、市中に流通するお金の量を調節する重要な手段になっていて、毎月のように実施しています。
 これに対して「日銀引き受け」は政府が市場を通さずに直接、日銀に国債を買わせてしまう取引をいいます。安倍総裁が言ったのは「買いオペを通じて」ですから、引き受けには当たりません。
 ところが、報道が独り歩きしてしまう。日銀の白川方明総裁は二十日、一般論と断りながらも「中央銀行による財政ファイナンスあるいは国債引き受け はIMF(国際通貨基金)の途上国への助言で、やってはならない項目リストの最上位」「通貨の発行に歯止めが利かなくなる」と強く批判しました。
 さらに経団連の米倉弘昌会長も「世界各国で禁じ手となっている政策は無謀にすぎる」と日銀に加勢しました。こうなると大物同士のけんかですから、メディアはますます派手に報じます。

根拠のない空中バトル

 しかしもとはといえば、安倍総裁の発言から「買いオペ」の言葉を削除し、記者が勝手に「日銀引き受け」と解釈を付け加えたのが始まりでした。いわば根拠のない空中戦のようなバトルなのです。
 本紙は二十二日付で安倍総裁が「日銀が直接買うとは言っていない。市場から買うということだ」と発言を修正したと報じました。しかし本当は、全体として報道の側が正確さを欠いていました。
 いまは衆院選を控えて、国民がそれぞれの政党や政治家が何を訴えているのか、目を凝らし耳を澄ませて見極めようとしている時期です。野党総裁の発 言を誤って報じては国民の目を曇らせてしまう。政策の是非や賛否は別にして、こうした事態はあってはならないと思います。メディアの一員として深刻に受け 止めます。
 しかし一方で、この論争は思わぬ副産物もありました。日本経済が直面している難病であるデフレをどう克服するか、政府と日銀の関係はどうあるべきか、を考えさせる契機になったからです。
 もしも政府が国債を無制限、強制的に日銀に引き受けさせてしまえば、白川総裁が心配するようにインフレが加速するでしょう。しかし市場で買うな ら、国債の信頼失墜に歯止めがかかります。市場が「日銀は政府の言いなりだ」と判断すれば、価格が急落し警戒信号になるからです。市場を通す意味はそこに あります。
 実は、日銀は国会の議決の下で毎年、政府の国債を引き受けています。ただし満期が到来した日銀保有国債残高を引き受け上限としているので、無制限ではありません。
 今後は国債を買い増すなら、国債の信頼失墜を防ぎながら、どう買い続けていくかが課題になります。それは本来、日銀が考える仕事です。
 そこから政治家が日銀に口出ししていいのか、という議論も浮上しました。「日銀の独立性を脅かす」論です。しかし、独立性とは日銀がどう緩和するか、政策手段に与えられたものなのです。
 政策目標すなわち物価安定の目標について政治家や政府が責任をもって議論していくのは、民主主義統治の原則からいって自然な姿です。デフレやインフレで困るのは国民自身なのですから。
 国債を買い増しして緩和するなら、インフレを防ぐためにも物価安定目標が重要になります。
 いまは、すべての衆院議員が議員バッジを外して辞職し、あらためて国民から負託を受けようと政策を競っている最中です。金融政策の目標と手段について議論を深めるのは、むしろ望ましい。

政策を選ぶのは国民だ

 政策を選ぶのは国民です。私たちは「ダメ」と思う候補者なら「ノー」を突きつければいい。そのためにも、私たちメディアは正確な報道と言論を肝に銘じつつ、政治家と日銀には重い説明責任も求めていきたいと思います。
 中日新聞 CHUNICHI WEB


★関連記事 
 J-CASTニュース
安倍氏の「日銀国債引き受け」発言 実は「買いオペ」省いた「誤報」だった
2012/11/30 19:45
http://www.j-cast.com/2012/11/30156301.html

「脱原発の政策、一番に押し出されていない」山本太郎氏{朝日新聞}

朝日新聞
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「脱原発の政策、一番に押し出されていない」山本太郎氏
2012年12月2日1時5分
http://www.asahi.com/politics/update/1202/TKY201212010792.html?ref=reca

◇全文引用

山本太郎
 新党を立ち上げます。自分自身も衆院選に出馬する。党名は「新党今はひとり」です。政治家になりたい気持ちはない。ヤクザな世界に身を置くのはしんどいが、今、1年8カ月市民活動に 参加して、1票も漏らしてはいけない状態。今行われているのは、第一極、第二極、第三極Aチームまでの報道。第三極Bチームもあるが、実質二極の戦いだ。 一極は、この国を売り飛ばそうとする人。Bチームは国民の幸せを担保しようとしている。二極の戦い、「A」or「B」の戦いだと知ってほしくて、立つこと に決めた。
 脱原発の政策を見ても、一番に押し出されていない。今も東電福島第一原発は、(放射性物質が)漏れ続けている。でも、収束宣言みたいなハッタリが行われる。
 原発を止めることで、かわりになるのは何か。石原何とかは、「石器時代に戻るのか」と言うが、とんでもない。(原発が)稼働していない状況で、今まで通りの暮らしがある。1%の人のおいしい思いをする人たちのために、99%が生けにえになる。(立候補表明会見で)
 朝日新聞

俳優・山本太郎氏、衆院選出馬へ 新党つくり脱原発訴え{朝日新聞}

朝日新聞
ホーム>http://www.asahi.com/
俳優・山本太郎氏、衆院選出馬へ 新党つくり脱原発訴え
2012年12月1日21時51分
http://www.asahi.com/politics/update/1201/TKY201212010646.html?ref=reca

◇全文引用

 反原発活動をしてきた俳優の山本太郎さん(38)が1日に東京都内で記者会見し、衆院選への立候補を表明した。脱原発や環太平洋経済連携協定TPP)参加の反対を訴えるという。
 選挙区は未定で、「脱原発に反対する一番強い相手と戦いたい」と説明。「新党 今はひとり」を立ち上げ、同調する立候補予定者へ参加を呼びかける考えを示した。「仲間が2人、3人と増えれば、党名も変わる」と話した。
 政党要件を満たすには国会議員5人以上が必要だが、同調する動きがなければ無所属で戦う。
 山本さんは東京電力福島第一原発の事故をきっかけに、反原発活動に取り組んできた。既存政党から立候補しない理由を「どこかの党に入るとそのカラーや歩調に合わせないといけない。原発即時撤退だ。よどみなくストレートに伝えたい」と語った。
 朝日新聞

山本太郎氏、東京8区から立候補 「反核はじまりの地」<朝日新聞>

朝日新聞
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山本太郎氏、東京8区から立候補 「反核はじまりの地」
2012年12月3日21時15分
http://www.asahi.com/politics/update/1203/TKY201212030612.html

◇全文引用

 反原発活動を続け、衆院選への立候補を表明した俳優の山本太郎氏(38)は3日、東京8区から立候補する方針を固めた。自身のツイッターで「反核運動はじまりの地、杉並で闘う」と記した。同区には自民党の石原伸晃前幹事長らが立候補する予定。

日本未来の党、副代表選出に思う 孫崎享 2012/12/2(日)

★阿修羅♪ >
日本未来の党、副代表選出に思う 孫崎享 2012/12/2(日) 0:13
http://www.asyura2.com/12/senkyo140/msg/314.html
投稿者 はる 日時 2012 年 12 月 03 日 11:39:35: qbevaTr6BkLsY
▼全文引用
孫崎享さんのメールマガジンから
1日朝日新聞は次のように報じた。
 「日本未来の党代表の嘉田由紀子滋賀県知事は1日夜、同党の役員を発表した。飯田哲也環境エネルギー政策研究所長を代表代行に充て、副代表には森ゆうこ参院議員に加えて山田正彦、阿部知子両前衆院議員を起用する。東京都内で記者団に語った。」
 「未来」の急展開を歓迎したい。
 私は今度の選挙を本当に悲観していた。
 国民の投票する先がまったくなかった。
 国民の大多数は反原発である。しかし、自民党は原発維持、民主党は例によって選挙で誤魔化そうとしているが、選挙後再稼働に向かうのは疑う余地がない。
 増税。
 TPP。民主は推進だ。自民はなんだかんだ言っているが多分TPP支持に回るだろう。
 オスプレー。
 原発、増税、TPP、オスプレーと国民の行き場所がなかった。
 勿論、社民党や、共産党は反対している。しかし、「冷戦時代と同じ服を着ていていい」と判断している党に、国民の大多数が支持することはない。
 その中で「未来」の動きである。
 私が副代表の3名で特に驚いたのは阿部知子氏である。
 11月3日藤沢で阿部知子氏の講演会に出た。そこで90歳くらいの女性支持者が「阿部さん。あなたもう勝負しなきゃだめよ」と阿部知子氏を口説いていた。阿部知子氏は笑っていたが、こんな大胆な動きに出るとは思わなかった。
 山田正彦氏は文字通り、体を張ってTPP阻止に頑張っておられた。山田正彦氏などの反対がなければ、とっくに野田首相はTPPへの参加表明をしていた。
 そして森ゆうこ議員である。
 ある明治大学教授が、「森議員と孫崎の書籍のベストセラーを目指すトークショー」を企画していた。どういうわけか不成立に終わった。
 私は『アメリカに潰された政治家たち』に次のように書いた。
「自主路線の政治家は再び現れるでしょうか。
いま政治家に求められる条件とは次のようなものです。
第一に、修羅場から逃げないことです。失うことを恐れないこと。「すべてを失ってもいいから勝負してやろうじゃないか」という政治家はいまいません。
第2に若い政治家であることです。国民は古い政治家を見放しています。これは時代の流れです。若い世代の支持を獲得できる政治家を持ってこない限り、風はふきません。
第3に政策的に国民が求めている「原発再稼働反対」「消費増税反対」「TPP反対」を断固やる、という姿勢です。
以上の条件を踏まえたうえで、実現しないという前提であえて申し上げれば、小沢新党が森ゆう子議員あたりを首相候補に掲げれば、国民的な風が吹く可能性が あります。彼女はそれらの条件をすべて備えているからです。世界を見渡せば、女性が指導者になるのは、決して不思議ではありません。英国にはサッチャーが いました。ドイツにはメルケルがいます。米国のヒラリー・クリントンは大統領候補の座を争いました。女性候補は風を吹かせる可能性を持っています」(孫崎 享著『アメリカに潰された政治家たち』)
森ゆうこ、山田正彦、阿部知子は戦う政治家です。
修羅場から逃げない。失うことを恐れない。「すべてを失ってもいいから勝負してやろうじゃないか」という気概を持っている。
国民に選択の場を与えてくれた。
もう国民は「投票する所がなかった」という言葉は吐けなくなった。
これで自民、民主等に投票するなら、それだけの国民しかもてない国だということだ。
国民が大手マスコミの操作を脱して立派な判断を行えることを切に願う。(了)  
孫崎享さんのメールマガジンから★阿修羅♪

橋下徹よ! 未来の党の「10年以内卒原発工程表」 どこが非現実的なのか!? (日刊ゲンダイ)

★阿修羅♪ >
橋下徹よ! 未来の党の「10年以内卒原発工程表」 どこが非現実的なのか!? (日刊ゲンダイ) 
http://www.asyura2.com/12/senkyo140/msg/340.html
投稿者 赤かぶ 日時 2012 年 12 月 03 日 21:18:01: igsppGRN/E9PQ
▼全文引用
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-7574.html
2012/12/3 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ


怒り心頭 飯田哲也氏は山口1区から出馬
「日本未来の党」代表の嘉田由紀子滋賀県知事がきのう(2日)、会見して「卒原発カリキュラム」を発表した。10年後までに完全に原発から「卒業」するための具体的な工程表である。
「今は実質的に原発稼働ゼロに近い状態です。ここから出発して、最初の3年間を『助走期』と位置づけ、まず大飯原発の稼働を停止。『もんじゅ』も止めて、 六ケ所村の再処理工場を即時、廃止する。もちろん、大間原発を含む新規増設も禁止します。さらに使用済み核燃料の総量規制や、安全な貯蔵方法の社会的合意 形成、発送電分離などの電力システム改革を断行し、3年かけて卒原発を可能にする環境づくりを行う。その後の7年間が『離陸期』で、エネルギーの自由化や 効率化によって、未来へのエネルギーシフトを図っていきます」(未来の党関係者)
このカリキュラムの原案を作ったのは、未来の党の代表代行を務める飯田哲也・環境エネルギー政策研究所長だ。
有権者は、なぜ、今このプランが「未来」から出てきたのか、その背景を知っておく必要があるだろう。これはズバリ、「日本維新の会」の橋下徹が石原慎太郎 と組むために“捨てた”政策なのである。しかも、橋下は脱原発から転向した自分を正当化するために、脱原発に向けた現実的なカリキュラムがなかったと言わ んばかりの会見をした。これは真っ赤なウソだ。大阪府市の特別顧問だった飯田氏が、きちんとした工程表を示していた。しかし、橋下が裏切ったので、飯田氏 は袂を分かった。未来に移り、きのう、具体的な工程表を出したのである。
維新の会をウォッチし続けているジャーナリストの横田一氏が言う。
「この工程表は、もともと大阪府市エネルギー戦略会議で飯田氏が提案したシナリオで、橋下市長も了承し、一度は維新の会の公約・政策実例集に盛り込まれる ことになった。実現性があると判断したからです。しかし、橋下氏は石原氏と組んで脱原発から後退した途端、手のひらを返した。そのうえ、『(工程表は)飯 田さんの個人的な見解だった』とか『現実的ではない』とかケチをつけている。果たして、このプランが非現実的でしょうか。有権者が判断するべきです」
未来の党の卒原発カリキュラムの中身の濃さは、そのまま、橋下のウソの証左になるわけだ。ついでに言うと、嘉田知事も「(新党結成は)橋下さんが石原さん とつながって(脱原発を)引っ込めたことが大きなきっかけ」と語っていた。橋下の裏切りに皆が怒った。既成政党の脱原発はマヤカシだから、真の意味の脱原 発政党をつくらなければならない。それが「未来」の原動力になったわけである。
さて、橋下に怒り心頭の飯田氏は会見で、山口1区から出馬することも明らかにした。ここで飯田氏が勝つようだと、日本の政界は大きく塗り替えられることになる。

12年末・この国を選ぶ:「支援策」誰なら… 原発自主避難者、訴え深刻<毎日新聞>

毎日新聞
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12年末・この国を選ぶ:「支援策」誰なら… 原発自主避難者、訴え深刻
毎日新聞 2012年12月04日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/news/20121204ddm041010127000c.html
▼全文引用


(1)
 4日に公示される衆院選に向け、多くの政党が原発政策の公約を打ち出しているが、原発事故後、自らの判 断で福島県外へ避難した「自主避難者」の中には疎外感を抱く人もいる。避難者を支援する「原発事故子ども・被災者支援法」は6月に成立したが、具体的な支 援策は決まらないまま衆議院が解散し、今や話題にも上らないからだ。東京と山形で暮らす自主避難者たちの思いを追った。

 ◇子ども抱え転々--東京へ

2Kの部屋に子どもたちの泣き声が響く。あやしても泣きやまない。「自主的な避難といえ、あまりにサポートが少なすぎます」。東京都中野区の都営住宅で避難生活を送る影山綾さん(30)は、長男(1歳11カ月)と次男(8カ月)の隣でぐったりした様子を見せた。
 福島県郡山市で暮らしていた影山さんは10年12月に長男を出産。原発事故後に次男の妊娠が分かった。郡山市は国が定めた避難区域外だったが、子どもの被ばくが心配で避難を決意。北海道や大阪を転々とし、今年1月に中野区に移った。
 夫(42)は仕事で福島を離れられず、周囲に子育てをサポートしてくれる人はいない。区の託児サービスは常に満員。「ストレスが限界。夫とのケンカも増えました」
 災害救助法に基づく支援により家賃は無償だが、郡山市の自宅はローンが残る。光熱費は郡山市と中野区の2軒分。子どもの健康を考えて安全性の高い食材を用意するため、食費もかさむ。子どもに会いに来る夫の交通費も自己負担だ。
 原発事故の支援法が6月に成立すると、サポートの充実を期待した。超党派の議員らも具体的な支援策を定める政府の基本方針に、避難者の要望を反映させるよう働きかけていた。だが、11月16日に衆議院が解散。方針策定の動きは止まった。
 11月23日、影山さんは、さいたま市まで約1時間かけて電車を乗り継ぎ、避難者が集まるイベントに参加した。2人の子どもを主催者に預け、スタッフに日常の不満を聞いてもらった。「少しだけ自分の時間ができました」。表情が和らいだ。
 近づく衆院選。1票を投じるつもりだが、避難者の生活支援はなかなか話題にならない。「避難者の視点に立った政治は期待できないのでしょうか」【水戸健一】

 ◇自分で安全守る--山形へ

(2)
 福島県南相馬市の高橋通(とおる)さん(59)と妻順子さん(56)は昨年7月、購入した放射線測定器 の数値に目を疑った。自宅敷地内の空間放射線量は最高で毎時3マイクロシーベルト、雨どいは同20マイクロシーベルト超。現在、国が除染目標としているの は同0・23マイクロシーベルトだ。「もう、安全は自分で守るしかない」
 当時、自宅は原発から20~30キロの「緊急時避難準備区域」に指定されていたが、住み続けることはで きた。しかし夫妻は被災者が無料で住める山形市内のアパートに転居。自宅には高速道で月2回通い、掃除や庭の草むしりに汗を流す。政府は昨年9月、緊急時 避難準備区域の指定を解除したが、自宅敷地内の放射線量はほとんど変わっていない。
 東京都内で小学校教諭をしていた高橋さんは10年ほど前、故郷の南相馬に戻り、祖父と父の後を継いでこけし職人になった。海まで車で15分。近くの山で山菜採りが楽しめた。今では遠い昔のことのようだ。
 東京電力が精神的苦痛に対し支払っていた月10万円の賠償金は、避難準備区域の解除から猶予期間の1年間が経過したことで今年8月に打ち切られた。南相馬市は当初、自宅の除染は4月に終わると説明していたが、現在は「来年秋」になった。
 山形市内にある避難者交流支援センターには毎日、福島県の地元紙が届く。高橋さんは衆院選関連の記事をむさぼるように読むが「避難者支援策」はなかなか見つからない。「自主避難者は捨てられたということか」【前田洋平】
    ◇
 復興庁によると、古里から離れて暮らす福島県民は46都道府県に5万8608人(11月1日現在)。福島県によると、うち約半数は自主避難者。投票は不在者投票制度を使って避難先でも可能だが、投票先を決めかねている人は少なくないとみられる。
毎日新聞

2012年12月3日月曜日

2012衆院選:未来公約、全原発10年で廃炉 子ども「手当」2.6万円(毎日新聞)

毎日新聞
ホーム>http://mainichi.jp/
2012衆院選:未来公約、全原発10年で廃炉 子ども「手当」2.6万円
毎日新聞 2012年12月03日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/news/20121203ddm001010084000c.html
◇全文引用


 日本未来の党の嘉田(かだ)由紀子代表(滋賀県知事)は2日、東京都内で記者会見し、衆院選(12月4日公示、同16日投開票)の公約「未来への 約束」を発表した。10年以内に全原発の廃炉を決める工程表を盛り込んだ「卒(そつ)原発カリキュラム」の骨子を発表。消費増税法を凍結するとし、子ども 1人あたり年間31万2000円(月額2万6000円)の手当を支給するとした。
 嘉田氏は会見で「(民主党が訴える)2030年では遅すぎる」と述べ、積極的な「原発ゼロ」を強調した。
 目玉となる「卒原発カリキュラム」では、原発の再稼働を認めず、関西電力大飯(おおい)原発(福井県お おい町)を即時停止し、Jパワー(電源開発)大間(おおま)原発(青森県大間町)の建設を中止。高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)や青森県六ケ 所村の使用済み核燃料再処理施設も即時廃止する。
 当初の3年間を「原発ゼロ」の環境整備を行う「助走期」と位置づけ、その後の7年間を「離陸期」とした。
 助走期には、原発停止に伴う電気料金の値上げ抑制のため、政府が電力会社に、必要なときに現金化できる「交付国債」を給付▽「発送電分離」など電力システム改革の断行▽東京電力の法的整理−−を行うとした。
 公約は環太平洋パートナーシップ協定は交渉入りに反対を明記。税を財源とする最低保障年金を創設するとした。子どもへの手当については一部を「子育て応援券」として現物支給する。高校授業料無償化、農業の戸別所得補償は維持する。
 また同党は、衆院選の第1次公認候補109人(前職53、元職4、新人52)を発表した。前職のうち、合流する「国民の生活が第一」(小沢一郎代表)が45人を占めた。また、飯田哲也(てつなり)代表代行は山口1区からの出馬を表明した。【横田愛、杉本修作】
毎日新聞 2012年12月03日

衆院選:未来公約発表 代替策欠く卒原発 「再稼働」巡り記述混乱(毎日新聞)

毎日新聞
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衆院選:未来公約発表 代替策欠く卒原発 「再稼働」巡り記述混乱
毎日新聞 2012年12月03日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/news/20121203ddm002010144000c.html
◇全文引用


(1)
 日本未来の党(嘉田由紀子代表)が2日公表した衆院選公約の「卒原発カリキュラム」は、関西電力大飯原発(福井県おおい町)の即時停止など、急進的な「原発ゼロ」を打ち出した。だが、代替エネルギー普及の具体策などは明確でない。【笈田直樹】
 公表されたカリキュラムはA4判、4ページ。より具体的な計画の公表時期は「未定」(飯田哲也代表代 行)だ。原発ゼロに必要な代替エネルギーは「発送電分離を含む電力システム改革を断行」とのみ記述され、取りまとめに当たった飯田氏は「代替(エネル ギー)は順次拡充していく」と語るにとどまった。
 当初の3年間で、使用済み核燃料の中間貯蔵場所を選定するとの政策も盛り込まれたが、自治体からは猛反発が予想される。飯田氏も「最大の一番しんどい議論だ」と発言。中間貯蔵が決まらなければ、計画はたちまち壁に突き当たる。
 公約策定はドタバタを繰り返した。会見で配布された文書には「世界最高水準の原子力規制体制の確立」と記述されていたが、「明け方に文言を入れ替えた」(飯田氏)として「放射性物質・廃棄物規制」に修正された。
 混乱には伏線がある。嘉田氏は1日、読売テレビの番組で一定の条件で「再稼働を認める」と発言し、その 後に撤回した。再稼働しないなら原子力規制は不要のはずだ。文書にはほかにも「炉の寿命は最長40年」など再稼働を前提とした記述が残る。嘉田氏の発言の ぶれが混乱につながっている。
 嘉田氏は滋賀県知事として原発政策を積極的に提言し、4月には原発事故で被害を受ける可能性がある「被 害地元」との考え方を提唱。大飯原発の再稼働では放射性物質の拡散予測を県独自に実施した。最終的に事実上容認に転じたが、10月には「計画停電の責任は 一知事では持ちきれない。あの判断しかなかった」と発言。この経験が新党設立のきっかけになった。
 しかし、国政に候補者を出すことで政策の実現可能性は厳しく問われる。野田佳彦首相は2日、千葉県四街 道市の街頭演説で「すぐにゼロにして本当に経済が持つのか。現実的に進めていく民主党を選ぶのか、無責任なエネルギー政策に陥っている他党を選ぶのか」と 強調した。日本維新の会の橋下徹代表代行も2日、原発立地県の福井県敦賀市で街頭演説し「嘉田さんのプランは立地(地域)に何も触れていない」と批判し た。
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 ◇原発を巡る嘉田氏の発言

11年

(2)
 3月28日 数十年にわたる琵琶湖の水質改善も、原発事故があればあっという間だ(関西電力の原発安全対策の説明に、滋賀県庁で)
 6月21日 脱原発と言うとそれだけでイデオロギーになる。原発からの卒業、今どの段階にいるかによって何年かかって卒業するかということで「卒原発」は大事な表現かなと思う(定例記者会見)
12年
 4月 2日 (原発がある立地地元に対し)被害を受けるかもしれない「被害地元」を新たな概念として提示したい(定例記者会見)
   13日 被害地元の切り捨てだ。政権にブレーキの仕組みがない(閣僚会合の再稼働妥当判断に、滋賀県庁で)
 6月21日 警鐘に耳を傾けなかったことが福島原発事故の一つの反省だったはず。オオカミ少年と言われても、警鐘を鳴らし続けるしかない(毎日新聞のインタビューで)
 9月18日 折れるべきところは折れる。それが現実的な判断(定例記者会見で原発立地県並みの原子力安全協定の事実上断念を表明)
11月20日 原発ゼロを強調していた橋下徹大阪市長がかなり後退した。仲間を失った感じ(定例記者会見で日本維新の会と旧太陽の党の合流に)
   27日 福島の原発事故を確実に終わらせて、確実に原発から卒業できる道を示さなければならない(新党結成会見で)
12月 1日 原子力規制委員会が安全性を担保し、政府が必要だという判断をした場合、再稼働を認める(読売テレビの番組で。のち撤回)

 毎日新聞 2012年12月03日

大地の鈴木氏「どうも」で選挙戦 公民権停止中(中日新聞 CHUNICHI WEB)

中日新聞 CHUNICHI WEB
トップ >http://www.chunichi.co.jp/
大地の鈴木氏「どうも」で選挙戦 公民権停止中
2012年12月2日 17時37分
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012120201001568.html
◇全文引用



 新党大地の鈴木宗男代表は2日、北海道帯広市で開かれた次期衆院選同党候補の決起集会で、自身が公民権停止中のため選挙運動ができないことに関し「いつも通り『どうも、どうも』と言うので、候補者や大地のことだと思ってほしい」と話した。
 鈴木氏はまた「先頭に立って戦えないことを申し訳なく思う。私に代わって、この戦いを乗り切っていただきたい」と支援者らに理解を求めた。
(共同)