2012年12月3日月曜日

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経済の死角
 2012年12月03日(月) 週刊現代
第1部 119議席で第2党へ躍進「橋下—石原維新」がこの選挙区でこんなに勝つ 選挙区別「日本維新の会」勝敗リスト付き>12・16総選挙の最新情報
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◇全文引用


(1)

 民主党にはコリゴリ、自民党には飽き飽き—。2大政党は国民から・世直し・を期待されながら、それに応えることはできなかった。膨らんだ期待があっという間に萎んだ日から3年。失望しか生まれない政治とは、もう決別しよう。そのための選択肢は、たったひとつしかない。

大阪では「もうひとつの選挙」準備

この国は今度こそ、本当の「変革」を成し遂げることができるのか。12月16日、日本の有権者がどんな選択をするのか、関心は海外でも強く、株価や為替相場などにその反応が現れている。
 そんな中、本誌は驚くべき情報を入手した。日本維新の会・橋下徹代表代行の本拠地、大阪市の幹部の一人がこう語る。
「実は大阪市の選挙管理委員会は、野田佳彦首相が衆院の解散を宣言し た直後から、市長選挙の準備に取り掛かっています。選挙公報、候補者のポスターを張り出す掲示板、投票所となる小中学校の手配。なぜ市長選の準備を急いで いるか? ・いざ・という時、準備をしておかないと間に合わないからです」
 大阪市長は、言うまでもなく橋下氏である。11月23日現在、橋下氏が大阪市長を辞めるなどという情報は、公にはない。しかし、その足下では、密かに市長が交代することを見越し、緊急選挙戦の準備が進められているというのである。
 これは何を意味するのか? 答えは一つと思われるが、それは後述しよう。
 12・16総選挙は、この閉塞感漂う日本の状況を打破するための、3年ぶりの決戦だ。'09年、国民は自民党を政権の座から引き摺り下ろし、民主 党に国政を委ねることを選んだが、結果は失敗に終わった。民主党は、硬直した官僚機構の改革を公約にしながら、結局はそれに飲み込まれ、言い訳だけを繰り 返す集団に成り果てた。
 この延々と続く負のサイクルを、今度こそ打ち破るのは誰なのか。・選択ミス・は、もはや許されない。

(2)

 決戦を前に、各種世論調査では安倍晋三総裁率いる自民党の優勢が伝えられている。メディアによっては、自民党の獲得議席を280議席などと予想。3年前の政権交代選挙と正反対に、窒息していた自民党が一挙に大復活する……というシナリオが多い。
 だが、果たしてそう簡単に行くのか。政治評論家の浅川博忠氏はこう語る。
「自民党が圧倒的に優勢などと言われれば、所属議員は調子にのりがち で、結果として『以前の批判を忘れたのか』と、国民の怒りがぶり返すことも考えられます。すでに安倍氏が張り切りすぎている部分があり、これから反発が出 てくるでしょう。自民党の政権奪還と言いますが、もし200議席を割るようなことがあれば、公明党と組んでも過半数は取れません」
 野田首相や民主党議員らは、「自民党の負の遺産で我々は苦労した」と強調している。「アンタが言うな」という突っ込みはさておき、同じような思いを抱く国民は多いだろう。
 政治ジャーナリストの山田惠資氏もこう語る。
「維新の会は、石原慎太郎前都知事の太陽の党と合流したことで、結果 的には勢いを盛り返してきました。石原氏と合流する前は100議席はとてもムリ、という状況でしたが、大台に達する可能性が出てきたと思われます。維新の 会が100議席の場合、自民党は票を食われて200議席程度に止まる。それだと自公で過半数には達しません」
 実はこれは、直近の大手メディアの世論調査にも表れている。たとえば、橋下—石原連合が決定する前に行われた読売新聞の世論調査で、「比例代表の投票先は?」という質問に対し、自民党と答えた人は26%、民主党は13%。そして維新の会は8%だった。
 ところが、連合結成が伝えられた後に行われた毎日新聞の調査では、同じ質問に対し、自民党17%、民主党12%のところ、維新の会は13%。これ に太陽の党の4%を加えると、なんと橋下—石原連合は、圧勝すると言われている自民党とほぼ同じ支持を受けていることが分かる。

大阪では圧倒的に強い

そしてこの毎日新聞の数字を、同紙が'09年の総選挙前に行った世論調査と比較すると、より興味深い。
 '09年8月30日の選挙の約1ヵ月半前に行われた調査('09年7月18日、19日実施)では、同じ「比例の投票先は?」という質問に対し、劣勢が伝えられていた自民党の数字が18%だった(民主党は45%)。

(3)

 つまり3年前と現在を比べると、当時の民主党のような圧倒的な支持を受けている政党はなく、どの政党もどんぐりの背比べ状態。自民党・民主党・維新の会が、三つ巴のダンゴに近い状況で、言い換えれば今後3週間の流れ次第で、何が起きるか分からない。
 しかも、あくまで単純比較だが、維新の会が当時の自民党と同程度の支持を受けているとすれば、'09年の選挙における自民党と同じくらいの議席を 得る潜在能力があることを意味する。3年前の自民党は119議席。橋下・維新の会にとって、この数字は完全に射程圏内ということだ。
 日本維新の会から出馬予定(群馬2区)の石関貴史代議士は、こう話す。
「橋下さんと石原さんが手を組んだことは、やはりメリットのほうが遥 かに大きいですね。維新の会は、これまでどうしても『大阪の政党』というイメージが強かったのですが、石原さんが参加されたことで関東でも支持を得られる ようになりました。平沼赳夫(元経産相・岡山3区)さんの存在感もありますし、政党としての重みが増したと思います」
 同じく、維新に合流を決めた小沢鋭仁元環境相(山梨1区)もこう語る。
「橋下氏は、石原氏のことを、『齢80を超えた方が憂国の志で立ち上 がった。我々はそれを受け止めたい』と話していました。石原、橋下という、2人の首相候補を維新の会は持っています。この2人を押し立てて選挙を戦いま す。民主党からは刺客が送り込まれるのは確実ですが、・殺されてもいい・という気持ちで決断したことです」
 迷走や混乱はあるにせよ、維新躍進の可能性は、再び高まってきている。こうなると、焦点となるのは維新の会が選挙までに、どれだけの候補者を揃えられるかということ。勝つチャンスがあっても、候補者がいなければ選挙にはならない。
 11月22日、維新の会は第4次の公認候補発表を行い、その数は130人以上に到達した。その中には、民主党を離党して維新の会に合流した松野頼 久元官房副長官(熊本1区)や前出の石関氏など現職国会議員の他、維新の会の秘蔵っ子である維新政治塾の塾生、元アイドルなど異色候補の名前も浮上してい る。
 最終ページの表は、11月23日時点の維新の会の候補者のリストである。そしてそのうち、「○」が付いている候補者は、他党との比較で、維新候補が勝つ可能性がある選挙区を示している。

(4)
 維新の会幹部がこう語る。
「一時より勢いは落ちていると言われますが、大阪や近畿では、やはり圧倒的に維新は強いという手ごたえがあります。大阪では北部の選挙区を中心に、10議席は確保できる見込み。さらに上乗せも可能だと思っています」
 2010年の参院選で、民主党の獲得議席数を「44」と的中させたリサーチ会社・アノンの野沢高一氏も、維新の風が吹いていることを調査で実感したという。
「解散の直前、大阪を対象に我々が行った自主調査では、40代~50 代の男女の多くが支持政党として維新の会を選択しています。この層は、いわゆる『浮動票』の中心層。さらに、60代の男性も維新を支持する傾向にありま す。以前は民主党に期待していた層が、今回は維新に流れる可能性が大きいと思われます」
 候補者リストを見て興味深いのは、対抗馬となる自民党や民主党などの候補が「弱い」あるいは「弱体化傾向」と目されている選挙区に、せっせと候補を立てていることだ。
 たとえば山形3区。自民党の加藤紘一元幹事長の地元だが、すでに73歳で完全にオールドネーム。また、神奈川5区は、暴力団との交際問題で法務相 を辞任したばかりの、民主党の田中慶秋氏の地盤。新潟5区は現役の文科相ながら、失言連発で落選危機が囁かれている田中真紀子氏の選挙区である。話題性も 含めた候補者配置だ。
「現時点では自民党の安倍晋三総裁、小泉進次郎青年局長、『国民の生活が第一』の小沢一郎代表の選挙区など、何が起きても圧倒的に強い候補の地元は後回し。ムダなケンカはしない方針なのかもしれません。
 みんなの党とは一部地域を除いて住みわけがされており、選挙区調整 は進んでいるようです。一方で、国民の生活が第一の候補、小沢ガールズらのいる選挙区には、お構いなしに候補を立ててきている。小沢新党は維新の会を中心 とした第三極からは、弾かれているのが見て取れます」(民主党選対関係者)

12月2日まで間に合う

維新の会については、いまだに・寄せ集め・・粗製乱造・との批判も渦巻く。だが、続々と現職議員らが参加したことにより、急速に形が整いつつあるのは前出・石関氏も語るとおり。

(5)
「西日本の現職国会議員を中心に、小選挙区で維新の会は、最低 25~30議席は固いと思われます。今後の情勢次第でこれが50議席近くに増えれば、比例代表で獲得できる議席を加え、80議席はいきそう。ただ、119 議席という前回総選挙の自民党並みの勢力を目指すには、維新の会にとって・プラスα・が必要となるかもしれません」(全国紙政治部デスク)
 そのプラスαとは—。ここで冒頭の大阪市幹部の証言に戻る。市の選挙管理委員会では、なぜか市長選の準備を密かに始めているという。
 これが意味するところは、もちろん一つしかない。つまり、「あり得ない」と言われ本人も否定している、「橋下氏本人の出馬」が、お膝元の大阪では「あり得る」と捉えられているということだ。
 前出の大阪市幹部がこう語る。
「仮に12月16日に、市長選を総選挙とのダブルで実施するなら、政令市長選挙の告示は投票日の14日前となっていますから、遅くとも12月2日までには橋下さんに決断していただく必要があります。
 おそらくご本人も迷われているのではないか。『満を持し、サプライ ズで東京1区から出馬する』との情報もありましたが、別の候補者が立ったのでなんとも言えません。ただ、市や選挙管理委員会としては『急な市長辞任↑出馬 宣言』もあると見て、急いで準備を進めざるを得ません」
 橋下氏は表向き、相変わらず国政進出は否定し、「市長との兼職禁止規定が外れたら(来年の)参院選に出る」など、曖昧な態度を取っている。だが同 時に、「総選挙に惨敗したら、国政進出は諦める。こんなこと(大勝負)は何度もできない」と、あたかも背水の陣を敷いたかのような・覚悟・も語っている。
 かつて、「2万%ない」と強く否定していた大阪府知事選への出馬を、数日で翻した過去もある橋下氏だ。周囲もいまだ、その真意を測りかねている。
 ある自民党幹部は、今、橋下氏の電撃出馬をもっとも恐れているという。
「橋下氏本人がもし出馬した場合、目標議席はかなり下方修正せざるを 得ない。維新の会は最低で40議席という数字が出ていたが、本人出馬で100~130議席に達し、自民党は200議席割れ、民主党が70~100議席とい うのが最新の情勢。そうなれば過半数を取る政党がないのは確実で、政界は混沌としたまま、来年夏に参院とのダブル選挙になるだろう」

(6)
  12・16は、決戦の日であると同時に、国政が変わっていく始まりの日でもある。橋下氏は、既成政党、既成権力の打破を合い言葉に、国政を目指してきた はずだ。だとしたら、その目的を果たすチャンスは、目の前に転がっている。橋下氏の決断が、すべてを左右することになる。

★維新候補者の図URL
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「週刊現代」2012年12月8日号より
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