2012年1月31日火曜日

武田邦彦 (中部大学) 特設スタジオ


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安全な食生活を目指して(1)・・・まず、頭の整理をしておこう!
http://takedanet.com/2011/12/post_ec67.html
福島原発事故以来、多くのお母さんが安全な食生活を目指して、頑張っています.そして食品安全が山場にさしかかってきました.ここが正念場です!!

ご く最近、明治の粉ミルクの汚染(30から40ベクレル(セシウム以外のものも考慮)、40万缶)が露見しました。まず、理解しておかなければならないの は、1)国の暫定基準1キロ500ベクレルは子供には厳しいこと(1年5ミリ)、2)汚染が発表されるのは子供が食べた後、3)外食に危険な食材が回って いる、ということです。

まず、第一の問題ですが、国が決めた食材の暫定基準値はセシウムだけで1年5ミリで、これが危険か安全かということを専門家やマスコミは一般人に説明しようとしています.でも、食品からの被曝の問題は実に複雑で、ちょっとした知識では正確に理解できません.

だ から、私たちは「専門家が3月11日以前にやってきたこと」をそのまま経験として理解した方が正確です.たとえば、「電力会社ですら成人男子の従業員の被 曝を1年1ミリに制限していた」という事実や、「1年5ミリ以上で白血病になった成人男子を国が労災に認定していた」、「福島に派遣される医師の交代は5 ミリシーベルトの被曝で行われている」ということを考えて、より感度の高く、被曝しやすい子供の10年後のために注意をしてあげなければならないというこ とです。

そ の点で、専門家やマスコミがなんと言おうと、これまでの経験を超えることにならないように注意をしてあげなければなりません。 専門家やマスコミは自分の 仕事や立場を優先して、子供たちの健康は2の次になっています.だから、「どこまでが安全か」という無用の議論に巻き込まれないようにしたいとおもいま す。

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第二の問題は、「汚染された食材を出荷したり使ったりした人は、子供が食べてから汚染を白状する」ということです。それではどうにもなりません。その典型的な例が横浜市です.

ま ず、市長を先頭に「大丈夫」を繰り返し、市民全員に「大丈夫パンフレット」を配り、「大丈夫」という雰囲気を作ってからベクレルを測定しないで給食を強行 しました。その結果、牛肉、キノコで実に500ベクレルも超える食材を子供に食べさせたのです。40ベクレルを超える食材は多かったと推定されます。公表 しない自体が不誠実です。「神経質すぎる」と言う人がいますが、注意するかどうかは本人(親)の問題で、他人が他人の子供の健康に口を出すことはできませ ん.

さ らに、その後が問題です。横浜市の担当者がでてきて「すみません」と謝ったのです。物事には謝って済むこととすまないことがあります。すでに子供は汚染さ れた食品を食べてしまったのですから、それを吐き出すことはできません.このように被曝はもとに戻りませんから、横浜市もそれを判らなければなりません。

また、このケースは「1年5ミリの国の基準値も上回った」ということですから、経験的に日本が守ってきた1年1ミリ(ほぼ40ベクレル)の5倍以上を子供たちが被曝している可能性が高いのです.

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明 治の粉ミルクもそうで、汚染された粉ミルクを40万缶の出荷してから回収をしています。また新米も福島県知事が安全宣言を出してから、これも1キロ500 ベクレルを超えるコメが次々と発見されています.コメは主食で一日に食べる量が多いので、関東から岩手県までの新米は避けた方が良いと考えられます.

私 は、完璧には行きませんが、牛乳や粉ミルクについては4月頃から「食べないように」と呼びかけ、新米も安全宣言がでているさなかに「新米は避けるように」 と行ってきましたが、それは「つじつまが合わない」ことと、「子供たちの口に入る前に注意を姿態」と言うことによります。

つまり、新米は「汚れた田んぼから綺麗な新米が作られた」と言うことです。そんなことはありません.稲には移行係数というのがアリ、一定の作り方をすると田んぼのセシウムは10%内外(データに幅があり、1から30%)の比率で稲に移ります.だから、5000ベクレル程度の田んぼに稲を植えたら、40ベクレルどころか500ベクレルに近いコメがとれるはずなのです。でも最初の測定値はとんでもなく低かったので、私は新米はダメと言いました。

また、牛乳や粉ミルクは放射性物質が福島や茨城に降ったのですから、当然、ウシもある程度は汚染されたし、汚染されたエサを食べましたので、汚染牛乳は必ずあったはずです。

これらのことをマスコミが報道しにくいことも事実です.今のマスコミはかつての「骨太の記者」はいません。効率的にさっさと記事を書かなければならないので、「自分でコツコツ取材する」のではなく、「人のいったことや発表をもとに記事を書く」ということになっています.

粉 ミルクの場合も丹念に取材をし、勉強し、自分で計算していれば、どうも明治の粉ミルクは危ないということで記事を書くこともできますが、今では記者はそん な時間を持っている人はいません.今回は偶然、明治の粉ミルクが露見しましたが、雪印をはじめ、これまでベクレルを公表していない大手の乳業メーカーはす べて疑わしいと思います。

そ の点、私は立場は無いので、自分の学問上の知識から「新米、乳製品は危ない」と「まだ、汚染が公表されない前」にブログに書くことができます。確定してい ませんから、私は「お父さんとして家族を守るために書く」と宣言しています.そうでなければ、「自分の責任を考えて、子供が汚染された食品を食べてから報 告する」のでは家族を守れないからです.

(つづく)

(平成23127日)








明治の粉ミルクから1キロあたりセシウムなど30-40ベクレル

http://takedanet.com/2011/12/post_6283.html
明 治の粉ミルクから1キロあたり30-40ベクレルのセシウムなどが検出され40万缶を回収中です。 40ベクレルというとおおよそ1年間で0.4ミリシー ベルトになります。(12月7日の追加:私はセシウムしか測定されていない場合、全放射性物質を考慮して3割ましにしています。)

事故発生以来、牛乳、粉ミルクのベクレル数がまったく発表されずに販売されています。中国でも日本製粉ミルクの販売が急落しているということで、外国に対しても本当に恥ずかしいことです。

明 治の株価が急落していますが、大手の牛乳、粉ミルクは買わないようにしましょう。子供は、大人に比べて放射線に対する感度が高い上に、食事が単純なのでそ れだけ危険性が高いのです。たとえば大人はお米、パン、肉、サカナ、野菜、おかし、お酒といろいろなものを食べますが、乳幼児は粉ミルクだけということも あります。

だから、粉ミルクの汚染は危険なのです。4月以来、牛肉が汚染されているのに、牛乳や粉ミルクが汚染されていないということはありません。今回も乾燥用空気が汚染されていたと発表されていますが、おそらくウソでしょう。

もし、信じて貰いたければ4月以後に製造された全商品のベクレルを公表すべきです。公表しないと言うことは汚染したものを販売したことを意味します。日本の農業生産物には食品を提供する人の魂が感じられません。大切な日本の子供のために、誠実な日本人に戻ってください。
 (平成23126日)

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