2012年3月9日金曜日

「使用済み核燃料」の保管期間(1)



これは、何回か記事にしています。(読んだ方は、スルーして下さい)現在は、各原発の使用済み核燃料プールに保管されています。しかし、間も無く満杯にな るそうです。そして、そこに置いておけば非常に危険であることを、今回の原発事故は、教えてくれました。現在、日本に最終処分場は、ありません。外国で も、計画を決定し、建設に着手しているのは、「フィンランド」ただ一カ国だけです。非常に危険な、使用済み核燃料の、最終保管場所さえない。これが、これ までの原子力行政です。建設にも、10~20万年と言われている、保管期間にも、巨額の計算不能の費用がかかります。これは、原発発電のコストには、入っ ていません。計算不能な金額を算入できませんから。今回の事故の最終的な被害金額も、現時点では計算できません。これも、原発発電のコストには、入ってい ません。「もんじゅ」や「六ヶ所村の中間処理施設」の費用、電源三法により支払われる交付金、これらも原発のコストです。その他、諸々併せると、原発で発 電するだけ、赤字が増える計算になります。
原発発電のコストは、誰にも計算できません。計算不能であるのを、ごまかして原発の発電コストは、安いと原発推進の根拠にしてきたのです。
使用済み核燃料の保管期間について、毎日新聞に良い記事が有りますので、全文引用します。

毎日新聞 2011年7月31日 東京朝刊
世界を読む:モンゴル核処分場計画/フィンランドに建設中の最終処分場(その1)

http://mainichi.jp/newsarchive/news/20110731ddm001030054000c.html

 ◇米「年内覚書締結を」 UAEも参加、安全保障前面に

使用済み核燃料、いわゆる「核のゴミ」の国際的な最終処分場を日米主導でモンゴルに造る計画が、水面下で加速している。5月に毎日新聞が計画を報 じた後、モンゴルから核燃料の供給を受けたいアラブ首長国連邦(UAE)が新たに加わり、米エネルギー省が今月、了解覚書(MOU)を年内に締結したいと 関係各国に打診した。安全になるまで最低10万年はかかる核のゴミを、未来の世代に押しつけ、先進国が途上国に負わせる構図。世界で唯一、最終処分場を建 設中のフィンランドも訪ね、核のゴミを巡る問題に迫った。【オルキルオト(フィンランド南西部)会川晴之】
3人の男がモンゴルの首都ウランバートル郊外にあるチンギスハン空港に降り立ったのは、春まだ浅い09年5月6日だった。
 「モンゴルは東洋のスイスになるべきです」。米シンクタンクの2人と経済産業省の官僚が、バトボルド外相(現首相)、ボルド国防相ら政府要人に語りかけながら、後に最終処分場建設計画へと発展する提案書(英文)を差し出した。
 南を中国、北をロシアに挟まれた内陸国モンゴルは、両大国の度重なる干渉に苦しんできた。3人は、「永世中立国」を宣言したスイスが国連機関を誘 致して安全保障を強化した例を引き合いにし、「使用済み核燃料を貯蔵する施設を建設、国際機関が管理すれば、中露両国も、うかつにはモンゴルへ手出しがで きません。北東アジアの安全保障強化にも貢献する」とたたみかけた。
 モンゴル南部ゴビ砂漠にあるウラン鉱山周辺に、核燃料製造施設、原発、研究所、使用済み核燃料貯蔵施設などの核複合施設を建設、国際原子力機関(IAEA)に管理を委ねる構想だ。
 モンゴル側への説明は、安全保障面を前面に押し出した。しかし、その後、米ネバダ州ユッカマウンテンの最終処分地計画が住民の反発で宙に浮き、オ バマ政権は白紙撤回した。国外に代替地を探らざるをえなくなった米エネルギー省、使用済み核燃料の引き取り場所が確保できれば「原発輸出の起爆剤になる」 とみる、日米両国では最大の原子炉メーカー・東芝(子会社の米ウェスチングハウスを含む)が、構想の主軸を担っていった。
 IAEAによると、使用済み核燃料は世界で推計約33万トン。年間1万500トンが発生しており、うち8500トンが処分に備えて貯蔵され、 2000トンが再処理されている。再処理しても、高レベル放射性廃棄物が生まれるため、使用済み核燃料をそのまま処分するのと同じ歳月の隔離が必要とな る。
 日米では住民の反発で最終処分場の建設は現状では極めて困難だ。国連加盟国の中で人口密度が最も低く、地盤も強固なモンゴルに白羽の矢が立てられたのは、原子力を国家戦略に据えた先進国の「事情」があった。
 ところで、核のゴミ捨て場とはどんなものなのか。生命体に悪影響を及ぼさないようにするためどのように管理されるのか。安全になるまで最低でも10万年が必要とされる。10万年前はネアンデルタール人が暮らしていた時代だった。
 疑問の答えを探ろうと、「オンカロ」(隠し場所)と名付けられた、フィンランド南西部に建設中の最終処分場を訪ねた。
毎日新聞 2011年7月31日 東京朝刊

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